愛され男子Hokuto.M

光 ページ36

北斗Side









俺は、相変わらず、ずっとずっと、先の見えない暗闇を歩き続けていた。



皆はどうしてるのかな？



早く帰って洗濯物畳まなきゃなのに。



今日雨だって言ってたし。



ご飯の支度もしなきゃ。



でもどうしよう。



ここからぬけだす方法が俺にはわからない。



ただひたすらに歩くだけ。



景色も変わらない。



そうしたら必然的に飽きてくるわけで。



もうあきらめてしまおうと思いかけた時。



あきらめて座り込もうとした瞬間。



その瞬間に。



一筋の光が見えた気がして。



あぁ。



あっちに向かって歩いたら、帰れるかもしれないって。



そう思って、重い腰を上げて歩き出した。



だんだんと、光が濃くなっていってその光に包まれた時。



誰かが手を握っている感覚がしたような気がして。



取り敢えず、てをにぎりかえしてみた。



そしたら今度は、懐かしい声に呼ばれているような気がして。



返事しなきゃ。



そう思った瞬間に、目が開いた。



兄ちゃんが、泣いてる。



一番最初に俺が見た景色は、そのきれいな涙だった。









ただいま...
兄ちゃん。

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