愛され男子Hokuto.M

目覚め ページ35

優吾Side









次の日、樹も阿部ちゃん先生もいないとき。



そんな時に事件は起こった。



阿部ちゃん先生が回診に行き、樹が三人分の朝ごはんを売店まで買いに行ってくれたそのタイミング。



いつもどうり静かにに眠る北斗の手を祈るような気持ちで握っていた。



そうすると、一瞬北斗の手が動いた気がした。



今、呼びかけたら起きてくれるんじゃないか。



そんな小さな淡い期待を込めて。



握っていた北斗の手をもっと強く握りしめて、廊下にまで響き渡るほどの大きな声で、北斗の名前を一生懸命に叫んだ。



何度でも。



何度でも。



そしてついに北斗が目を開いた。



俺は、嬉しくなって。



泣きながらナースコールを押した。



押したナースコールは、阿部ちゃん先生の所につながった。



そして先生が、樹に連絡した。



二人ともすごい勢いで駆けつけてくれて。



やっぱり、うちの弟は愛されているななんて思ったりする。









本当に良かった。
おかえり。
北斗...

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