愛され男子Hokuto.M

無機 ページ34

樹Side









結局、あれからまる二日。



特に、目を覚ます気配もないままの北斗。



兄ちゃんと俺と阿部ちゃん先生とで誰か一人は北斗のそばにいれるように話し合って、時間制の交代制で仮眠をとりながら。



それでもピクリとも動かないその手を、一生懸命に握り続けた。



とにかく一刻でも早く、北斗の声が聴きたかった。



まだあどけなさの残る、あのクシャッとした笑顔を見たかった。



その思いは三人とも同じで。



並々ならぬ思いで、看病を続けた。



俺と兄ちゃんはここ三日間、家に帰ってないからわからないけど、ジェシーや慎太郎がお見舞いに来た時に言ってた。



今まで、北斗に家事を任せっきりにしてたけど、それがどれほど大変なことなのか。



朝ご飯や、夜ご飯を作り、学校までの送り迎えをしてくれていた兄ちゃんのありがたみ。



俺が大我の健康チェックを毎朝行っていたことの大切さ。



俺たち三人居ないだけで、家はたったの三日で大荒れになったらしい。



でもそれを笑いながら何も言わずにさっとかたずけてくれるあいつは、、、



できすぎた俺の弟は、、、









俺の目の前で眠ったままだ…

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