家族 ページ33
優吾Side
お昼前に病院に来てから、もう結構時間が過ぎていた。
面会時間はとっくに終わっている。
ジェシーと慎太郎は、面会時間終了と共に、看護師長に雷を落とされて帰っていった。
そして俺は、ついさっき、面談室に通されて、樹とその教育係であり、大我の担当医でもある、阿部亮平先生、通称阿部ちゃん先生の二人によって、今の北斗の状況を聞いてきたところなのだ。
まだ詳しいことは何もわかっていないけれど、軽く行った検査の結果、確実に頭に腫瘍があることが判明したそうで。
状況は、俺が思っていたよりも悪い。
今はとにかく北斗が目覚めるのを待つしかない。
こんだけの数の人がお見舞いに来てくれて、病室もがやがやしていたのに、今日一日目を覚ます気配はゼロ。
シーンとした真っ白い部屋の中、聞こえてくる音といえば、北斗が生きている唯一の証である、機械音のみ。
無機質な音が無機質な部屋にこだまする。
あぁ。
どうしてもっと早くに気付いてやれなかったんだろう。
今思えば、二日前の朝。
学校休んじゃダメかなって聞いてきたとき。
昨日の尋常じゃないぐらい頭を痛がった時。
樹が北斗はきっと我慢してるよって教えてくれた時。
北斗は、皆に愛されているのに、人に頼ることが苦手。
そんな北斗からの、精一杯のSOSを俺は無視してしまっていたんだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 552人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏 - ほく松さん» 只今帰りました！ありがとうございます！ (2020年2月5日 22時) (
レス) id: f8e1fbc4fb (このIDを非表示/違反報告)
ほく松(プロフ) - お疲れ様です!!!おかえりなさい!!!無理せずに頑張ってください!!!この小説大好きです!!! (2020年2月3日 21時) (レス) id: d93c975b57 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - ほく松さん» 有難うございます！無事に終わって帰ってくることが出来ました。これからも頑張って更新していきます。どうぞ宜しくお願い致します。 (2020年2月3日 21時) (レス) id: f8e1fbc4fb (このIDを非表示/違反報告)
ほく松(プロフ) - 大学入試頑張ってください!!!応援してます!!!そして小説の更新も楽しみにしてます!!! (2020年1月29日 23時) (レス) id: d93c975b57 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 雛さん» 有難うございます！続きが楽しみといってもらえる小説を書き続けられるように頑張るのでこれからも、宜しくお願い致します。 (2020年1月22日 22時) (レス) id: f8e1fbc4fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雛
| 作成日時：2020年1月9日 21時
