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もうだめだ
そう思って目を瞑ったその時
鈍い音が響き渡った


「…え」

何かが人形にぶつかった音だ
振り返ると鏡を持ったミツバくん

ミ「こっこここのやろー!こっちだ!!ばーか!!!」

寧「ミツバくん!」

ミツバくんの声に反応した人形が彼の方に集まっていく

ミ「あだ…そのぅ…僕…
ややややっぱりこっちじゃないでーす!!」

「裏切り者ー!!!」

あっという間に捕まったミツバくんは
沢山の人形に覆い被され身動きが取れなくなってしまった
私は急いでミツバくんへ駆け寄る

「ちょ、放しなさいよ!大人数で卑怯でしょ!」

どれだけ引き剥がそうとしてもびくともしない
しかも一体の人形が振りかぶった拳が
私の頬を目がけて飛んできた

「…ツツ!!」

寧「や…やめて!!」

カ「ジタバタと鬱陶しいですね」

寧「っかは」

「ね、ね、せ…ん…」

カラスの腕の中の寧々先輩も私も気が遠くなっていく

視線の先には人形に捕まり身動きの取れないミツバくん

ミ「あ…ううっ た たすけ ぐすっ
うわあああん 助けてええぇ!!!」


??「……しょーがないなぁ」

小さな声が聞こえた
瞬きをする瞬間からのこと
気づけば私達3人を攻撃してきていた怪異は全て
壊されていた

寧(な…花子くん…!?)

(違う…この子はきっと…)

司くんだ

どこから現れたかわからないが
司くんは人形を倒した後、鏡のカラスの首元を掴み
引き摺り出そうとした

司「ネー何してんの?弱い者いじめ?」

カ「何してんのはこっちのセリフですよ!!
なんなんですかアナタ人の境界で好き勝手して!!」

司「…」

カラスの言葉に何も返さない司くんは
表情を崩さずに鏡から引き摺り出したカラスを
何度も、何度も床に打ちつけた

境界内に不快な音が何度も響く

カラスは動かなくなってしまった

司「あーあー鏡割れちゃった」

(本当にこの子は…)

信じられない

あの日、ミツバくんが消えたあの日が蘇る

寧「あ、」

司「生きてる?」

寧「え うん…」

司「そっか!良かったね!
…君も…良かったね!」

「…ええ」

血塗れの右手はそのままに屈託のない笑顔で話しかけてくる
あの日と何一つ変わっていない

司「…にしてもミツバ
ホントにダメな子だねー
ひとりじゃなんにもできないんだから
よしよし」

泣きじゃくるミツバくんを優しく撫でる司くん
状況の理解できていない寧々先輩の顔は
わかりやすいぐらい引き攣っている

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設定タグ:地縛少年花子くん , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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ほまれ(プロフ) - 丸メガネっ子さん» はじめまして!コメントありがとうございます更新頻度はまちまちで安定してませんが少しずつ更新していきます! (2020年7月12日 10時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネっ子(プロフ) - はじめまして、こんにちは。これからも応援しておりますので投稿頑張ってください。 (2020年7月12日 9時) (レス) id: ee13b7513b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほまれ | 作成日時:2020年7月8日 9時

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