特別な人 ＊ ページ37
【ミヨンサイド】
.
"遠慮なんかしたらまた怒りますからね"
Aちゃんはそう言ったものの、いざというときに小心者で臆病な私が顔を出す。
スンチョリが近くにいること、気付いてるんだけど、自分から話しかけることができない。
「あ！ミヨンヌナ！」
ああ、今日もまた自分から動けなかった。
食事に誘ったあのときは自分から行けたのに。
「スンチョラ…」
「今終わりですか？」
「ああ、うん。え、とスンチョラは…」
「俺は練習してて…今は休憩です」
Aちゃんが海外に行ってる間、進展はおろか食事にも行けてないなんて、また怒鳴られてしまうだろうか。
…でもAちゃんにとっては良いことかも。
「あー…ちょっとだけ、話しません？」
「え？！」
「喉乾いたのでそれに付き合ってくれるだけでもいいです」
「あ、ああ、うん」
そう言われるまま、2人でベンチに腰掛ける。
「仕事、忙しいですか？」
黙ったままの私にスンチョリが問う。
「え？」
「食事行こうって言ってから、どれだけ時間が経ったと思ってます？だからよっぽど仕事が忙しいんだなって」
スンチョリが私を覗き込みながら意地悪な笑みを浮かべた。
「…忙しいのはスンチョラもでしょ」
「はは！いやでも、忙しいのは良いことです」
「そうだね、仕事を貰えないって考えるだけで恐ろしいよ」
「同感です」
楽しいな、と思う。
この人といると、自然に笑顔になる。
「ねえ、ミヨンヌナ？」
「ん？」
スンチョリの方を向くと、真剣な瞳と目が合って思わず息を呑んだ。
「俺に、またチャンスを貰えますか？」
「チャンス？」
「食事に行こうって言ってくれたとき、ああ、やった！チャンスが巡ってきたって思ったんです。…まぁ、ダメになっちゃいましたけど」
おどけたように微笑むその瞳の奥には、いつも優しい光がある。
「だから、もう一回そのチャンスをください」
スンチョリが何かを考えるように目を逸らしたけれど、それは一瞬で、またすぐに目が合った。
「…ミヨンヌナに俺を好きになってもらえるチャンスを、ください」
ああ、どうして。
この人はいつも真っ直ぐに私を見てくれるんだろう。
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sani(プロフ) - ミヌさん» わあ、ありがとうございます（ ; ; ）嬉しいです！読んでくださり、ありがとうございました！！ (2021年4月9日 6時) (
レス) id: a75bf160ab (このIDを非表示/違反報告)
ミヌ(プロフ) - 感動しましたTT大好きです。 (2021年4月9日 4時) (レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - まろにゅきさん» うわぁ〜なんて嬉しいお言葉！！ありがとうございます（ ; ; ）とっても嬉しいです！ああすれば良かったこうすれば良かった、と今になって思ったりもしますが、そう言っていただけて本当に良かったです(*^^*) (2020年6月25日 0時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
まろにゅき(プロフ) - saniさんの小説はスッと入り込めて読みやすくて、綴られる言葉もすごく好きです(^^)私はスンチョルもウジくんも好きだからこのお話、ドキドキしました！ (2020年6月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 36bf00294b (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ゆずさん» こコメントありがとうございます！文庫本無限とは！このお話は私なりに書くの楽しかったので、すごく嬉しいです(*^^*) (2018年9月30日 7時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sani
| 作成日時：2018年6月22日 19時
