十四話 温かな人達 ページ2
工藤さんに連れられて来たのは天羽組の事務所だった
ゆっくりと門をくぐり事務所の中に入るとそこには小峠さんとこの組の奥様である京子さんが居た
京子さんは私が入ってくるとすぐに駆け寄ってきて私の顔を覗いた
京子「あぁ…そんなに目を腫らして……こっちにお座りなさいな」
そう促されて私はフカフカのクッションが置かれたソファーに座った
小峠「ほら……これを当てて冷やせ」
『…………あり、がとう……ございます』
そっと手渡されたのは冷たいタオル
それを目元に当てつつ私は息を整えた
そして、冷静になって思い出すのは一条康明の顔だ
あの人の表情は昔から読み取りにくいが私の前だけで優しい笑顔を向けてくれることが多かった
『(そんな康明兄さんを私は尊敬していた…)』
なのに、どうしてかなぁ……いつの頃からか両親から康明兄さんと比べられる様になって、気が付けば恨む様になっていた
『(あんなのじゃ……私の方が嫌われてる)』
恨む事でしか私は正気ではいられなくなった
そうして気付けば、康明兄さんは一族から姿を消して、私の前からも姿を消えたのだ
『全部、私のせいなのに……』
そうしていると扉の開く音が聞こえた
チラリとそちらに目を向けると天羽さんが心配そうな表情を浮かべて立っていた
天羽「お嬢さん、大丈夫かい?」
『…………はい、ご迷惑を、おかけして……すみません』
何とか言葉を出したもののやはりまだ辛い
すると天羽さんは工藤さんに話し掛けているのが聞こえてきた
天羽「んで、詳しく聞かせてくれるか?工藤」
工藤「はい…シマの見回りをしていて、空龍東公園を横切ろうとすると…Aのお嬢さんが泣いていたんです」
工藤さんがそう言いきると天羽さんは「そうか…」と言い、私の隣へと座った
天羽「……何があったから聞かない、お前さんが話したくなったタイミングで話してくれ」
そう言うと天羽さんは優しく頭を撫でてくれた
その優しさに私は再び涙が溢れ出たのを止めることは出来なかった
『うぅ…………うぅぅ…………』
なんでこの人達は赤の他人である私に優しくしてくれるのだろう
何も言わない私に……どうして手を差し伸ばしてくれるの?
天羽「……京子、温かいミルクでも出してやりなさい
俺はしばらくこの子をここに預かると最山さんに連絡をする」
京子「わかりました……華太、少しの間頼んだよ」
小峠「了解致しました」
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シャリファ(プロフ) - 雪鈴さん» 分かりました！ (2022年10月11日 20時) (
レス) id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - シャリファさん» リクエストありがとうございます!!メテオと佐竹さん＆千恵さんですね、他の方のリクもありますのでお待ち頂けたら書きます！ (2022年10月11日 20時) (レス) id: 5206622557 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きが気になる (2022年10月11日 19時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - リクエスト可能ならメテオとの絡みと佐竹、千恵さんとの絡みをお願いします！ (2022年10月11日 19時) (レス) @page44 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - 構いません。お願い致します。 (2022年10月6日 14時) (レス) id: 7f119da37b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪鈴 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時：2022年8月2日 14時
