・ ページ31
Asaid
俺が不思議そうに観察していると、田中が声を掛けて来た。
田中「Aはお子様だからキャスターにするか。」
A『キャスター。』
田中「そ。バニラの香りするから初心者向けなの。」
A「ほう。」
田中「吸うか?」
A「ん。」
田中が胸ポケットからキャスター…白い箱に金色の鳥?が書かれた箱から煙草を一本取り出し、渡してくる。
それを受け取ろうとした時、横から手が伸び田中の腕を掴んだ。
苦痛に顔を歪ませる田中。
ドアの開閉音も聞こえなかったし気配も感じ無かった為、俺はとても驚いた。
侵入者かもしれないと思い慌てて後ろを向こうとしたがそれは誰かによって阻まれて。
A「!?」
今の俺の現状を説明しよう。
振り向こうとした俺の視覚は誰かによって遮られ、引き寄せられている。
後頭部の方に上からの重みを感じるから腕を回していて視界を塞ぎ、俺よりも身長が高いと考えられるだろう。
そしてどれ程手練れの侵入者だとしてもロボロの目を掻い潜る事は出来ない。
よって軍の人間の誰かだと分かる。
そいつが先程の田中から煙草を奪った奴と同一人物だと仮定すれば骨張った手をしていたから…男か。
そしてもう一人、男よりも少し遅れて俺の聴覚を奪ってきた奴もいる。
後ろから俺を抱きしめて来ている。首元に髪の毛が当たってくすぐったい。
あと力めっちゃ強い。ゴリラみたい。
ゴリラ…?
A『アカネ?』
「…」
答えない。だが代わりに肯定の意思表示だろうか。さっきよりも締め付ける力が強まってきた。
肋骨折れそう。←
でもアカネがいる、という事はもう一人はルピナスか?
…何の為に。俺をどうやって見つけた?何故こんな事をする?
俺の思考は疑問で埋め尽くされ、まともに考える事も出来なくなってしまった。
その中、一つだけ考えられる事があった。
アイツらはそんな事をする奴らじゃない。意味も無しに俺を裏切るなんて事、するはずがない。出来ない、しないはず。だって俺を―――と誓ったから。
無駄な抵抗は辞めよう。今はただ、見守るだけ。
ーーーーーーー
61000hit
評価158票
お気に入り登録465人
ありがとうございます。プロローグ作りました(今更)。掴みって大事て言いますもんね。
5.16 内容を変更しました
5.17 内容を追加しました
487人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕夜 - とっても面白いです!応援していまs…アッ脳内に直接ッッッックプラサンハウツクシィィィィィィ!!!!! (5月28日 23時) (レス) @page24 id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
まみの木 - マチガエマシタァ (2022年7月20日 22時) (レス) @page24 id: e361e9a87e (このIDを非表示/違反報告)
まみの木 - お恥ずかしながら執事になっても良いでしょうか? (2022年7月20日 22時) (レス) @page24 id: e361e9a87e (このIDを非表示/違反報告)
おすし - クプラサンハウツクシイイイイイイイ!!! で笑いましたwwクプラサンハウツクシイイイイイイイ!!! (2020年6月20日 9時) (レス) id: 3bb95e6753 (このIDを非表示/違反報告)
砂肝(プロフ) - チョコ狐さん» 優…しい…(永眠)(安らかな顔) (2020年5月28日 18時) (レス) id: 1648d037af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ