夜のしんでれら

諦め 橙side ページ43

そんなに時計欲しいんかな？
そりゃ安いのは付けてへんから
質屋に持っていけばええ値段がつくやろうな…

橙「淳子ちゃんはこの前の俺の家に来た時話したこと覚えてる？」
黄「行った時…」
橙「俺のテリトリーに入るんは危ない行為やって言ったよな？」
黄「…でも！照史は俺が嫌がることはせんもん」
橙「確かにせんよ。大切やもん。でも俺も男やねんで？」
黄「俺は俺もやで？」
橙「あー…言い方が良くないか。好きな子が自分の家におって手を出さへんように我慢するのも限界があると思うねん」
黄「…照史ならいいよ？」
橙「え…」
黄「照史は本気で嫌なことせんもん。前やって俺は嫌やった訳やなくて…」
橙「他の人とそんなことしてんの？」

天然の小悪魔やと思ってたけど
もしかして計算か？

黄「そんな…照史しかアフターも同伴もしたことないもん」
橙「なら今後の為にもそういうことは言ったらあかんよ？もっと酷いことしてくる人も居るんやから」
黄「でも！照史はせんやん！」
橙「信頼してくれるのは嬉しいよ。嬉しいけどその分男として見てへんって言われてるみたいで悲しいよ」
黄「それは！…そうやなくて…」
橙「ん。店ついたから流石に正面からこの服装で入られんのやろ？」
黄「…うん。裏から入るわ…」
橙「ほな。着替えたらまたね」

一旦淳子ちゃんとはお別れ
俺は正面から店に入る直ぐに崇裕が来てくれる

紫「いらっしゃいませ。どうやった？」
橙「俺のことはやっぱりそういう目で見てくれへんわ…」
紫「そうか…」
橙「で、俺明日から向こう行かなあかんくなったから今日で当分来れんくなるから」
紫「え！急やな…」
橙「その事は淳子ちゃんにも伝えてる。やから淳子ちゃんが飲めそうな高いの片っ端から入れてー」
紫「それはありがたいけど淳ちゃんのリアクションどうやったん？」
橙「欲しいもの言って？て聞いたら時計言われたけど似合わへんのは勿体なくて買おか。言うたのに俺が付けてるのがいいって」
紫「え！やっぱり少しは脈あるやろ！」
橙「デザインがって話したら、アフターで俺ん家行く言い始めて…」
紫「この間照史手出したのに？」
橙「照史は嫌なことせん！の一点張りでな…完全に男として見てもらえてへんやん」
紫「そっか…悲しいな…」
橙「まぁええ客として頑張るわー」
紫「淳ちゃん準備してるやろうから少し待っててなー」
橙「おん！」

いつもの様に席に案内されて座って待つ
この空間とももう少しでお別れかな？

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