白のリコリスが咲く8【Harry potter】 (ページ42)

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最初にパンジー・パーキンソンを含むスリザリン生が大広間から出て行った。

「レイブンクロー生続いて！」

マグゴナガル先生の張り上げた声にレイブンクロー生が大広間の出入り口の方向へ身体を向けると、監督生であるAは列の先頭に立った。

ハリーと同学年の7年生の監督生であるパドマ・パチルとアントニー・ゴールドシュタインは大広間に残って戦う者の中に入ることにした様だ。

残ることを許されているのは、7年生の者や成人を迎えた者のみ___Aは自分が避難してしまうことは考えになかったが、一先ず監督生として年下の同寮の生徒達を避難させることに専念した。

「絶対にいけませんクリービー行きなさい！！」

レイブンクロー、ハッフルパフが大広間の出口から出た所で、マグゴナガル先生が残ろうとした未成人であるコリンを大広間から追い出す声が聞こえて来た。

彼は渋々、無事にグリフィンドールの列の中に戻ったので、Aはそのまま避難場所となっている玄関ホールへと生徒達を連れて歩いた。

玄関ホールには、マグゴナガル先生から知らせを受けた屋敷しもべ妖精達がそこで待ってくれていた。生徒達よりも数は少ないが__それでも100人以上の妖精達がいるのだ。

時間はかかっても、1人の妖精に付き、3、4人程の生徒が妖精の魔法で城外の安全な場所へと避難出来るのだ___効率はとても良い。

「__スムーズに行く様に寮ごとに3人か4人のグループを組んで」

Aの言葉に、どの寮の生徒達も頷き従ってくれたおかげで、ヴォルデモートが期限とした真夜中の0時まで残り5分だと言う頃に、もう残っているグループもあとわずかとなった。

しかし、その時だ___Aはグリフィンドールの列の中から、コリンがこっそりと抜け出すのを目撃した。その瞬間にゾワリ、と不穏な〝死〟の感覚が一気に駆け巡り___Aは残りの生徒への指示を他寮の監督生へと託し大急ぎで彼を追った。

「待って！コリン！行ってはダメよ！戻りなさい！！！___コリン！！」

Aの叫び声も虚しく、彼はあっという間に姿を消してしまった。

大切な友人に迫る〝死〟の不吉な感覚に、Aは恐ろしくなって、ほとんど泣きそうなになりながら校内中を思いつくままに走り回った__感覚を使おうとしても、動揺している為か上手くいかない。

ついに〝時間〟が来てしまった。

ドゴォォォオオン！！

戦闘の合図となる攻撃の音が、ホグワーツ中に響き渡った。