白のリコリスが咲く8【Harry potter】 (ページ32)

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リーマスとドーラの間に産まれた男の子は、先日亡くなってしまった彼の祖父から名をもらった。

後見人はハリーだとリーマスから聞いた瞬間、Aは嬉しくなってまたニコリと微笑んだ。

〝エドワード・リーマス・ルーピン〟は生まれた時は黒かった髪が、1時間くらいで間違いなく赤くなった。

アンドロメダが、ドーラもそうだったと教えてくれたそうなのだ。

写真に映る産まれたてのその赤ん坊は、変わるがわる髪色を変え、もう母体の中に居ないことに気が付いているのかいないのか__心地良さそうに口をパクパクと開けたり、ググッと伸びをしてゆったりと身体を動かしていた。

「うわぁ__産まれたての赤ちゃんってこんなに小さくて可愛いんだね」

Aと同じ様にしてリーマスが持ってきた写真を覗き込んだネビルは感動した声を上げた。

A自身も産まれたての子どもの写真を見るのは初めてだ__写真の中でも、クシュンッとくしゃみをした様な仕草が伺えて思わずクスクスと笑った。

「早くドーラと〝テディ〟に会いたいわ」

Aがそう告げるとリーマスが嬉しそうに微笑んで口を開いた。

「A___ドーラと言ってたんだが、その、次の長期休暇、我が家で過ごさないか。勿論、君さえ良かったら__卒業後だって居てくれたっていいんだ」

思わぬ誘いにAは驚いて目を見開いた。

びっくりしすぎてすぐに返事が出来ないでいると、隣に立つネビルが嬉しそうに笑ってAの背中をそっと押した。

「___私、」

正直に言えば嬉しかった。ただそれを、素直に受け取って良いのかと遠慮する気持ちが先に勝ってしまっていた。

「言葉にしなくても、〝家族〟だと互いに想いあっていればそれで良いといつか君が言ってくれていた通りに私はいつも君の事を想っていた。側に居なくても、言葉に出さなくても__繋がりがあれば、それで良いのかもしれないと。でも__ドーラと共に過ごし、テディの誕生を目の当たりにし、身近に感じる様になった〝家族〟という存在に、側に居られることの幸せを感じたんだ。私はそれをAとも一緒に感じたい。Aと共に〝家族〟としての時間を共有したいんだ」

真っ直ぐに自分の事を見つめてそう伝えるリーマスに、Aは声を震わせながら「私もそうしたい」と伝えてしっかりと彼を抱き締めた。

セブルスが知ったら何と言うだろうか？不機嫌そうにしながらも__Aの背中を押してくれるのではないかと感じギュッと胸が熱くなった。