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Aは満月の日の夕方、突然ジニーに持ちかけられた話に驚いて眼を丸くした。
「校長室に忍び込んで、グリフィンドールの剣を？」
「そうよ。Aも、ハーマイオニーから聞いたでしょう？あれは本当はハリーが所有するべきだったのに、そうならなかった」
実を言うと、ダンブルドアから遺産を相続したハリーにはスニッチ以外に別の物も与えられていた。
グリフィンドールの剣だ。
しかし、これはとても貴重な文化的財産であり、事実上ダンブルドアの物でも無い。故に魔法省は彼の遺言通りハリーに渡す事はせず、ホグワーツでの保管を続ける事を指示したのだ。
「ハリー達が今どこに居て、何を成し遂げようとしているかははっきりと解らないわ__でもあれは、ハリー達の旅に必要な物だと思うの」
ジニーの言葉の通り、そうだと思ったが__Aは眉を顰めた。
「その___でも、それは今夜じゃなきゃダメなの？」
今夜は満月だ。日頃の傷のお陰で、今のAは満身創痍___それに加えて満月特有の身体の不調が波寄せている。とてもじゃないが、この作戦に自分は参加できそうになかった。
「このまま、今夜決行する。ルーナとネビルと3人で行くわ。もし失敗したらAとコリンは私達以上に罰を受けてしまうかもしれないもの__」
ジニーの強い決意に、Aは仕方なく彼女達を送り出したが、本当にそんな必要があるのかと1人で繰り返し考えた。
グリフィンドールの剣が文化的財産であり誰の所有物でも無いのだからハリーに受け渡せないことはダンブルドア自身理解していたのではないだろうか。
どんな事にも気が付いていて、先回りをしながら策を考えるダンブルドアのことだ___うっかり知らなかったと言う事はあるはずがない。
それに、かなり目立つし__ハリーに剣が受け継がれたことになれば必ず公になるだろう。
そうすれば、かつてあの�爛丱献螢好��瓩鬚盪杜韻瓩新�をハリーが持つ事をヴォルデモートが許すだろうか？
自分がもし敵であれば、自分が不利になりそうな武器は相手に一切与えたく無い。
___なら一体、何故ハリーに渡したかったのか？
___渡せないのに？
頭の中がぐちゃぐちゃになりそうになりながらもAはベットの上で一生懸命考えながら眼を閉じた。
___何か、何かを見落としている様な気がする。
それは一体何だろうか？
そこまで考えた所で、フッと流れる様にAの頭の中にありとあらゆる情報が入ってきた。
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作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年10月3日 21時
