白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ19)

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新入生達を引率する大男の名前はルビウス・ハグリッドだと名乗った。彼はホグワーツの鍵と領地の番をしているそうだ。

あまりにもその大きな体からして__彼もAの様に、何かの〝血〟が半分流れているのだろうか___少しだけ、親近感が湧いた。

「この辺りはぬかるんでるからな__足を取られるんじゃねぇぞ」

ハグリッドの案内で、一年生達はグレートレイクという湖からボートでホグワーツの城へと向かう様だった。湖面から見るその姿はとても壮大だ。

敷地内に入ると、一年生達の引率はハグリッドからミネルバ・マクゴナガル先生へと変わった。

「大広間では、皆さんはそれぞれの寮へと組み分けされます。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン___学校にいる間は寮が貴方達の家です。良い行いをすれば寮の得点となり、規則を破ったりすれば減点となります」

マクゴナガル先生の説明が終わると、A達一年生は大広間へと向かった。

歩いている途中で、ようやくジニー・ウィーズリーの姿を見つけることが出来た。彼女もAに気が付いてくれ、手を振ってくれたが__表情はどこか緊張していた。

組み分けはどうやら、〝帽子〟を被るだけでいい様だった。

意志を持ったそれは、名を呼ばれた生徒1人ひとりの頭に乗せられると、しばらく考えた後に、声高らかにそれぞれの寮の名を告げた。

ジニーは、兄弟のいるグリフィンドールに組み分けされたようだった。同じ様に真っ赤な髪をした兄達に迎え入れられると緊張が溶けた様に可愛らしい笑顔を見せていた。

「グレイディ・A！」

ついに、Aの名前が呼ばれた。

Aは他の生徒達がしていた様にそっと椅子に座り、帽子を被ると目を瞑った。

___ほう、君はグレイディ家の子かね？母親は実に聡明な生徒であったよ。父親は___フム、、、

「レイブンクロー！！！」

考えた末に組み分け帽子が告げた寮名は、母と同じ寮だった。

寮監のフリットウィック先生が嬉しそうに拍手を送ってくれている。

チラリとスリザリンの席を見るとドラコが残念そうな顔をしながらも拍手してくれていたので、小さく手を振っておいた。

上級生達に迎え入れてもらいながらレイブンクローの席に着くと、隣に居た女の子が声を掛けてくれた。

「あたし、ルーナ・ラブグッド。よろしく」
「A・グレイディよ、よろしくね」

早速出来た友達は、ふわふわとした不思議な雰囲気を持った女の子だった。