白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ2)

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セブルスは、ロキからの願い通り___その子どもの存在をリーマス・ルーピンに告げることは無かった。

____Aが、もしスクイブであればこのまま誰にも知らせずにマグルの世界で暮らさせることも１つだと考えていた。

____仮にもし、魔法を扱える気配があれば彼女はホグワーツに入学する事となるだろう。それまではダンブルドアにでさえ、言う必要はないと思ってもいた。

しかし、そうもいかない事実が発覚した。

「ほう、定期的に、体調を崩すと____」

「ええ、だいたい月に1週間はありますわ____でもまだ8歳なのに、その、女の子の月のものが始まるわけもあるまいし____一応、病院にもかかっております。貧血ではないかと言われていますが。まぁ、その事以外は本当に手のかからない良い子ですよ」

「そういった症状はいつから？」

「よく考えてみれば、もっとうんと小さな頃から体調を崩しやすかったかもしれませんが、貴方に伝える程でもなかったので____頻繁なのは本当にここ最近ですわ」

Aに、身体の異常が現れたのだ。

シスターの顔に眉を顰めたセブルスは、浮上した一つの可能性にため息を漏らした。

____これは懸念していた事態が起こるかもしれん

Aは素直で、優しく、本を好む大人しい女の子だった___定期的に体調を崩してしまうことと、ごくたまに、周りに不思議な出来事が起こってしまうこと以外は見た目もそのまま年相応の子どもだ。

鳶色の髪色は父親譲りだが、顔付きは母親によく似ている___まだ幼さはあるが、ホグワーツ入学時に出会ったロキを思わせる可憐さが彼女にはあった。

「今日はこれで一旦、失礼します___近いうちに知人をこちらに連れて来てもよろしいですかな？」

「ええ、もちろんですとも」

シスターの許可を確認すると、セブルスはチラリと中庭で草花をジィッと観察するAに視線を送り、声も掛けずにその場を立ち去った。