顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

051：ススキ ページ5

『降谷さんドライヤーどこー！？』

｢アホかバスタオル１枚で出てくんなぁあ！！！｣

『いったあああ！！！』


入浴後、降谷さんの投げたペンが凄まじい速さで私の額にクリーンヒットした。

え、酷くない！？脱衣場からちょっと顔出しただけなのに！

この前の水着の時の方が断然露出多かったでしょ！！


…いや、まぁ確かにバスタオル１枚で出てくるのは女子としてまずかったな。

若干反省して大人しく服を着る。

個人的に服着る前にドライヤー使いたい派なんですけどね。

今回は仕方ないので緩めのワンピースを着て、改めて脱衣場を出る。


その先では降谷さんがドライヤーを持って待ち構えていた。

そして何を思ったのか、彼は畳の床を指さして言い放った。


｢おすわり｣

『……。はい？え、なんですか？私あなたの犬になった覚えはありませんけど？？』

｢乾かしてやるから座れって言ってるんだ｣

『まじですか！？やったー！わんわんわん！！』


わーいわーい！私今日から降谷さんの犬になるー！

単純って言うなよ！？割と髪長いし片手で乾かすの面倒くさいんだよ！！


大人しく降谷さんに背を向けて座る。

スイッチが入ると同時に熱風が当たる。

降谷さんの指が私の髪を優しく梳いた。


うっわ〜なんか手慣れてやがるわこいつ。

普通に気持ちいいし眠くなりそう。


『もうこのあと家帰んのめんどくさくなってきたなー』

｢いや帰れよ、布団ないぞ｣

『うえー、降谷さん床で寝て下さいよ』

｢なんでだよ。送ってってやるから家で寝ろ｣

『え、送ってくれるんですか？イケメンですね』


言いながら、落ちそうになる瞼をこすった。

あー、やばい本当に寝そう。

やっぱりハニトラするにあたって色んな女の子にこんなことしてたのかなーなんて思いながら、私は睡眠欲に抗うのを諦めた。

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