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慌てて彼女から携帯を奪い返した。
え、こわ!こっっわ!!!
この年にして既にハニトラを心得てるだと!!?
見事に必要な情報を吐き出させて通報しようとしたぞ!?
大体Aさんの幼少期なんてまだスマホないはずなのに!
俺がさっき降谷さんに電話かけた時に使い方見てたのか!?
怖すぎだろ!!気づいたら知らない場所に知らない男といてとりあえず通報しようとする行動が的確すぎて怖すぎる!!さすがAさん!!
彼女はなんとか携帯を取り返そうと俺をポカポカ殴り続ける。
「ちょ、落ち着いて!俺は不審者じゃないから!」
『うそ!お兄さん、Aのすとーかーでしょ!Aが可愛いから狙ってるんでしょ!』
「自覚があるようでなによりだ!確かに君ならそういうこともあるだろうけど今回は違うから!話を聞いてくれ!!」
流石に幼い少女に力で負けはしない。携帯は渡さず死守する。
しかし聡明な彼女は力では適わないということがわかったのだろう。
なんと手段を逃走に切り替えた。
「あ、おい!待てって!」
部屋を飛び出した彼女を慌てて追う。
流石に外に出られたら厄介すぎる…!
誰かに見られたらなんて説明すればいいんだ!
逃げ足が早いわけではないようだが、如何せん頭の回転が早くてそこらの物をぶちまけながら走るからなかなか追いつけない。
頭良すぎだろAさん…!この頃から既に未来の片鱗が見えている。
そんなことを思っている間に彼女はとうとう玄関まで到達してしまった。
そして俺の止める声も聞かず、裸足のままでドアを開ける。
その時だった。
ドンッとAさんの小さな体がなにかにぶつかった。
『いった…!』
「…え?」
彼女がぶつかった先にいたのは、ちょうど到着したらしい降谷さん。
…うわ、すごいクマ。また徹夜してたのか…
降谷さんは目を見開いてAさんを見下ろす。
そしてAさんもまた目を大きくして降谷さんを見上げ、その言葉を零した。
『きれー…』
…………この頃から既に未来の片鱗が見えている!!!
さすがAさん。例え幼少期であろうと降谷さんの顔は大好きらしい。
すっかり足を止めてしまった彼女を降谷さんが抱え上げる。
そしてしばらく彼女を見つめた彼は突然来た道を引き返そうとしだした。
「ちょ、どこ行くんですか!?」
「服屋連れて行ってくる」
「待ってダメだって!!」
「あ、一眼レフも買わないと…」
「気持ちはわかるけど落ち着いて!!」
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びびか(プロフ) - この作品の作り込みが凄すぎて本当に好きです。。素敵な作品に出会えて良かったです!ありがとうございました! (2023年3月27日 20時) (レス) @page32 id: b527a1d6e3 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 想像するだけでこっちが照れてくる (2021年12月7日 15時) (レス) @page30 id: 9e519c38d5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - ほぉ…これが降谷さんとの至高の領域だな???ちょっと最上級の語彙力調達してきますね?手持ちの語彙じゃこの素晴らしさは語れないので!!!! (2021年4月30日 23時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - あむむさん» 完結してからしばらく経ってるのに見つけてくれてありがとうございます…!!そんなに褒めて頂けるなんて嬉しすぎて私の心臓が取れます…!25機も消失してご無事ですか!?笑 最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年11月9日 17時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
あむむ - 初めまして。どうにもこうにも我慢出来なくてコメント失礼します!泣きましたキュンキュンしました心臓取れました辛すぎましたその文章力に脱帽しました!25機くらいは消滅しました…!完結おめでとうございます。お疲れ様でした! (2018年11月8日 21時) (レス) id: eaf01be664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年9月21日 21時