顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

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ちょ、まじで冷たい！ねぇ今冬なんだけど！この人わかってんの！？

雨と冷気のダブルコンボで降谷さんの体めちゃくちゃ冷たいし私まで濡れたんだけど！！


『ありえない！！さっきお風呂入ったのに！！』

｢あとで一緒に入ればいいだろ｣

『何言ってるんですか！？大体私もう寝る気だったんですけど！？』

｢は？今夜は寝かす気ないが｣

『バカ言うな変態ゴリラ！！！』

｢泣かすぞてめえ｣


うっそでしょなに急にその気になってんのこの人。

さっきまでしゅんとしてたくせに！！


『私は寝ますー！落ち込んでるなら勝手に私の綺麗な顔でも見て１人で慰められといて下さいよ！！』

｢なんだ下ネタか？｣

『さいっっってーーー！！！！』


最悪。こんなイケメンエリート嫌すぎる。

しかし力で適うはずもなく雨に濡れた手が服の中に入り込んでくる。


『つめたっっ！！ちょっとどこ触ってんですかセクハラで訴えますよ！！！』

｢お前さっきから言動が彼氏に対するものじゃないだろ！｣

『びしょびしょのまま彼女に抱きつく方がありえないです！！！』

｢まじで１回黙れ！お前毎度毎度こういう空気になった時にうるさすぎなんだよ！｣

『なんですか偉そうに！！いきなり来たのはそっちでしょ！！？』


負けじと喚く私に降谷さんが眉間を抑える。

けれど彼はすぐに私を壁に追いやった。


｢そろそろお前のこともわかってきたぞ。
こういう時に騒ぐのは照れてるからだろ。
必死にムード壊そうとしてるんだろ｣

『はー！？なにほざいてんだ寝言は寝て言え！！』

｢口調が荒くなったってことは図星だな。
照れてると思えばこれも可愛く見えてくるが、それにしても随分やかましい照れ隠しだな｣

『んなわけないでしょうバカじゃないですか！！私が今更あなた相手に照れたりするわけ…！』

｢A｣


少し低めの声が耳に届いた。

顎を掴まれてグイッと上を向かされる。

いつになく深い蒼の瞳と目が合う。

そして微笑をたたえた彼に耳元で言われた。


｢愛してる｣


『〜〜〜っ！』


や、やられた…っ！

負けた、言葉を返せなかった。黙ってしまった。

満足気に笑う降谷さんがめちゃくちゃムカつく。

赤くなった頬を隠すようにそっぽを向く。

そして小さな声で言った。


『風邪ひかれたら困るので先にお風呂入ってきてください』

｢セロリ食べてるから風邪は引かない｣

『……今のあなたのセリフが１番ムードぶち壊してるってわかってます？』

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