顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

060：スターチス ページ15

『……は？』


目が覚めたら見たことのない天井が目の前に広がっていた。

えーと………え？？ここどこ？？？

見慣れない寝室。無駄にふかふかの高そうなベッド。

…え、まじでどこだここ。


体を起こせば頭がズキンと痛んだ。

…あー、そうだ。昨夜は公園でスコッチを飲みまくってそれから…

……それから、どうしたっけ？


えーっと、えーっと…やべえなんにも覚えてねえ。

まさかどっかの男とワンナイトとかないよな？ないよな？？

服も髪も昨夜のまま。体に異常もなし。うん…うん、多分大丈夫。


とりあえず起きよう。

ていうかここがどこか把握しなきゃ。

そう思って音を立てずにベッドから置き、窓の外を覗く。

と、確実にどこかで見たことのある景色が目に入った。


………あれ？もしかしてここ、工藤邸では？？

え、じゃあもしかして私が寝てたの工藤有希子のベッドだったりする！？？

やべえ大女優のベッドで寝ちゃった！！これ一生自慢したろ！！！


ってそうじゃねええええ！！！！！


いやいやいやなんでここにいる！？

だって！ここって！今は赤井秀一の根城じゃん！？

酔って起きたら奴の拠点にいたって、そんな…


……とりあえず盗聴器仕掛けとこ。


商魂たくましくいこうぜ。

ピンチはチャンスに変えよう。なにか収穫があったら儲けもんってね。

ベッドの裏に盗聴器を仕掛け、さてこれからどうしましょう。


いや、寝室から出るしか選択肢はないんだけどね。

えぇー…でも赤井秀一とは可能な限り顔合わせたくないんだよな…


鏡のお金は工藤邸のポストにぶち込んどいたけど、その後私の家のポストにリターンしてきた。

要するに私は今FBIに借りを作ってしまっている。

降谷さんに知られたらRX-7で轢かれそうな話である。


しかし酔った私を彼が運んできてくれたのは確実だろう。

何も言わず窓から抜け出すなんて失礼な真似はできない。

ええいままよ！私はドアノブに手をかけ、勢いよく引いた。


するとそこには今まさに扉を開けようとしていた赤井秀一とコナンくんがいた。



『………』

｢……｣

｢……｣


赤井捜査官の手には盗聴器発見器。

彼が無言でベッドの近くにそれを持っていけば、明らかに反応を示す。

ベッドの裏に手を突っ込み引いた時、さっき仕込んだ盗聴器が握られていた。


『……』

｢……｣

｢……｣

『……ゴメンナサイ』

｢…うん、どうせこんなこったろうと思ったよ｣


コナンくんはチベスナ顔でそう言った。

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