電話 ページ21
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秀一side
東条 「じゃあ俺、風呂入ってくるわ」
『おう』
部屋に着くとすぐに着替えを持って風呂に行った東条。
俺も着替えの準備だけ済ますと、すぐにAに電話をかけた。
エレベーターでの不安げな表情。
電話で少しでも安心させてあげたい。
プルルルルル‥‥
(A:「もしもし‥‥」)
『もしもしA?今大丈夫?』
電話すれば、すぐに出てくれたA。
だけど、その声は少し震えていた。
よっぽど怖かったんだな‥‥。
『Aは今何してるの?』
(A:「‥‥ベットの上にいるよ」
『そっか。川崎は?』
恐怖や不安を少しでも取り除いてあげたくて、優しく声をかける。
(A):「結衣ちゃんはお風呂に行ってる」)
『じゃあ、川崎が戻ってくるまで話そっか。』
(A:「うん」)
そしてそれから20分くらい俺とAは電話を続けた。
今日あった楽しい事や、明日行くテーマパークの話をすれば少し安心してきたのか、だんだん明るくなってきたAの声。
‥‥よかった。
(A:「明日楽しみだね」)
『うん。‥‥あ、観覧車も乗ろっか。A好きでしょ?』
(A:「うん!乗りたい!あそこの遊「A、お風呂上がったよ?」)
そしてAが元気になってきたところで、電話越しに川崎の声が聞こえてきた。
よし。川崎も戻ってきたし、もう大丈夫かな。
時計を見ればもう21時を過ぎていて、Aも俺もまだお風呂に入ってないし、そろそろ入らなくちゃな‥‥。
『‥‥じゃあ、Aもお風呂入ってきな。俺も入るから』
(A:「‥‥うん」)
『大丈夫。また明日会えるから。な?』
(A:「うん。‥‥じゃあまたね秀くん」)
『うん。おやすみA』
‥‥電話を切ると分かった途端、また悲しそうな声を出したA。
少し罪悪感を感じながら、俺は電話を切った。
‥‥寝る前にLINEしてみるか。
そう決めて俺は着替えを持ち風呂場へと向かった。
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2019年7月5日 21時