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02.紺色 ページ3

そこまで言うなら、と1度術科センターで撃たせてみた。

いつもと同じ軽い笑顔で銃をぶっぱなす犬飼。

気持ち悪いくらい百発百中だった。

それはもう比喩でもなんでもなく、ほぼ全発ド真ん中。

えへへー、どうですか?と笑う犬飼はなんだか癪に触ったので全力で頬をつねっておいた。



そんな銃の腕前を目の前で見せられたのだ。

俺はとりあえず信じてみることした。

上の言う通り現場で使ってから判断しようと。

こんな新人をいきなりどうかと思うが、1週間後にはとあるテロ組織のアジトへの突入が予定されている。

そこへ犬飼を連れていく。話はそれからだ。


デスクに置かれていた資料の束を手に取る。

犬飼は自分のデスクで相変わらず遅いタイピングを続けている。



「おい、犬飼」

その声に忠犬は一瞬で顔を上げ、へらっと笑った。


『わん!』

「返事は“はい”だ」

『はーい!』

「伸ばすな」


パタパタと寄ってきた彼女の頭に書類の束を乗せる。

うわ!と声を上げたあと、不思議そうに見上げた彼女の手に、それを置き直した。



「今週末、例のテロ組織のやつ、お前も来い」

『え!?いいんですか!?』

「その資料、全部頭に叩き込んどけよ」

『わん!』

「おちょくってんのかコラ」



なんで30秒前に言ったことを忘れるんだ。

びしっと頭に手刀を繰り出せば、生意気にも書類でガードされた。


そんな俺たちの姿を、周りの部下たちが目を丸くして見ている。

言いたいことはわかる。

そんなポンコツ新人を連れていくなんて正気か、と。

でもほぼ上からの指示みたいなもんだ。仕方ない。

まぁ、上のお墨付きだし恐らく大丈夫だろう。


パラパラと書類を捲った犬飼は、わざとらしく顔を顰めた。


『ひゃー字小さい!』

「普通だ」

『覚えきれますかね〜』

「無理なら徹夜でやれ」


………大丈夫だよな?

やっぱりやめとこうか…と思いながら、何度目かわからないため息をついた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ!良かった!同じですね(*´▽`*) (2021年1月20日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね!!!??(笑)私もめちゃくちゃ見たいです!!!!!!! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜!そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)、狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です!好きすぎる! (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年7月6日 23時

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