17.萌黄色 ページ19
赤井とすれ違いにパタパタとAが駆けてくる。
思いっきり赤井にガンを飛ばしまくっていたが、俺の隣にくるとコロッといつもの笑顔に戻った。
『お待たせしました降谷さん!』
「……なにこれ?」
『チョコレートチップフラペチーノデラックス、エクストラホイップアンドシロップです!』
「ふざけてんのか」
見るだけで胸焼けしそうな見た目をしたドリンクが差し出される。
こいつ本気で俺がこれを飲むと思ってんのか。
「お前のそれはなんだよ」
『こっちは普通のアイスコーヒーですよ〜』
「…なんで俺のをそっちにしなかった?」
『えー、だって降谷さんいつも頭使ってるから糖分取らないとなって思って…それに』
Aはそこまで言って、てへっと笑った。
『激甘フラペチーノ飲んでる降谷さん想像したらちょっと面白くて、つい☆』
「変えろ」
『あー!ちょっと!そっちもう口付けてちゃってますよ!!』
知るか。
Aの手からアイスコーヒーを奪い取って躊躇わずに飲む。
空いた彼女の手にフラペチーノを差し込んだ。
…妙に素直に受け取ったな。
不審に思ってAの方を見る。
と、彼女は例によって赤くなりながら目を逸らしていた。
「間接キスくらいで照れんなよ!!!女子高生か!!」
『てててて照れてません!!!!いやもう全然平気っす!!大丈夫です!!!』
その顔のどこが大丈夫なんだ。
そういう反応されるとこっちが困る。こっちまで照れる。
しかし今更ストローを変えるのもおかしいし、そのままアイスコーヒーを吸い上げる。
やがてAも観念したようにフラペチーノを口に含んだ。
『あっま…』
「だろうな」
『でも美味しいですよ!今日暑いから』
「へえ」
ズコッと手の中のストローが音を立て、口を離す。
続けて俺は、少しかかんでAが持っているフラペチーノのストローをくわえた。
『えっ』
Aがカップを持つ手にわざと自分の手を重ねる。
Aが声を上げた頃にはもう顔を上げ、ゴクッとフラペチーノを飲み込んでいた。
「まじで甘いな…」
『も、もぉぉ降谷さん!!!さてはこの前から私のことからかってますね!?!?』
「はは、なんのことかな」
暴れようとするAの頭を抑えつける。
『嫌いになりますよ!!』
「ならないだろ」
『ならないですけども!!!』
正直だな、と軽く笑った。
フラペチーノの甘ったるさはまだ口に残っていた。
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ!良かった!同じですね(*´▽`*) (2021年1月20日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね!!!??(笑)私もめちゃくちゃ見たいです!!!!!!! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜!そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)、狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です!好きすぎる! (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年7月6日 23時