09.淡朽色 ページ11
それからしばらくはお互いそのままで歩き、RX-7に乗り込んだところでようやく力を抜いた。
『はー…びっくりした〜』
｢…お前、それなりに演技できたんだな｣
『そりゃこの歳ですし、猫くらい被れますよう』
｢なら公安に来た初日くらいやればよかったのに｣
『疲れるからあんまりやりたくないんですー』
にしてもあの挨拶はどうかと思うが。
もう今となってはどうでもいいけれど。
『ていうか、さっきの彼…高校生探偵の工藤新一くんですよね？お知り合いですか？』
｢あぁ、まあな｣
『あ、もしかして喫茶店の店員時代の？』
｢……え？お前にその話したっけ？｣
そりゃ黒の組織に潜入してたことくらいは言ったけど、詳しい話はほとんどしてない。
別にする必要もなかったし、ポアロで働いてたことも言ってないはずだ。
運転しながら隣を見ると、Aはふふふーと得意げに笑った。
『降谷さんの武勇伝なら、先輩方に聞けばいっぱい教えてくれるんです！
みなさん降谷さんのこと大好きですから！』
｢あ、そう…｣
『組織の時のお話もたまに聞きますよ！
なんでしたっけ？ボンバー？』
｢バーボンだ。人を勝手に爆発させるな｣
こいつ、何気に公安内で可愛がられてるからなぁ…
男だらけで徹夜続きのオフィスに明るいチビなわんこが放り込まれて、癒されてる奴も多いらしい。
女子が来て喜んでるというか、全員揃って小動物を愛でてる感じだ。
そんなわんこにキラキラした目で俺の話を聞かせてくださいなんて言われたら、そりゃあホイホイ喋るだろう。
流石に知られてまずいところまでは言わないだろうが。
『喫茶店で働く降谷さんなんて想像つかなくて、いつか見てみたいなーって思ってたんです！
でも思ったより早く安室透さんにお目にかかれました！』
｢…良かったな｣
『はい！でも降谷さんのニコニコ笑顔、普段との差がやばすぎて怖かったです！』
｢殴り飛ばすぞてめえ｣
慌てて褒めてるんですよ！？とか言ってきたが今のは絶対褒めてなかったろ。
つーか差が激しくて怖かったのはお前もだ。
『皆さんから話を聞く度に、やっぱり降谷さんすごいなーって思うんですよね。
私も頑張らないとなって！』
｢そりゃどーも。とりあえずお前は人並みの事務仕事を出来るようになってくれ｣
『わん！』
｢人語を喋れ｣
えへへ、と笑うAの頭をぐしゃぐしゃ撫でる。
相変わらず妙なやつだとため息をついた。
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如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 立夏さん» んふふ！良かった！同じですね(*´▽｀*) (2021年1月20日 19時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 如月.夜月(きさらぎ よつき)さん» えっっっっめっちゃいいですねそれ最高ですね！！！？？（笑）私もめちゃくちゃ見たいです！！！！！！！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ムースさん» わ〜！そんなにたくさん読んで頂けるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年1月20日 2時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
如月.夜月(きさらぎ よつき)(プロフ) - 安室さん(怪我)､狂犬ちゃん(真顔)にお姫様抱っこされてほしいな… (2021年1月17日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ムース - 3周目です！好きすぎる！ (2020年12月12日 21時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年7月6日 23時
