顔が良ければ全て良しだって未だに思ってるだろ！！【降谷零/安室透】

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今のはおかしい。今のはおかしい。

私いまめっちゃ真面目に言った。ちゃんと本当のこと言った。

え、なんで今のに速攻で帰って下さい言われたの？新一くんめっちゃ当たりきつくない？そろそろ泣くよ？

目の前の当人はまだ呆れ顔のまま。

しかもなんか偉そうに頬杖までつき出した。


｢聞かなくてもわかりますよ。
それ絶対Aさんが悪いでしょ｣

『酷いなぁ。こんなに綺麗なお姉さんが困ってるのに味方しようとしないの？』

｢綺麗なお姉さんに味方すると綺麗なお兄さんが怒ってくるんで｣

『なるほどそれは言えてるね』


いやほんと、巻き込んで申し訳ないとは思うけどね。大丈夫、零さんには新一くんの名前は出さないから。

彼はブラックコーヒーを一口飲み、私に尋ねてくる。


｢降谷さんに禁止されてるハニトラをしたんですよね？情報を集めるために｣

『そうだね、実際かなり有益な情報は得られたんだよ？そこそこの組織をぶっ叩けるくらいの』

｢ハニトラって何やったんです？｣

『別に大したことしてないよ、イギリス人相手に軽くキスくらい』

｢…で、危険な目に遭いかけたとか？｣

『お、よくわかったねぇ、途中でバレて拳銃突きつけられてね〜零さんが助けてくれたの』

｢帰って下さい｣

『まさかの４度目』


今度は立ち上がって腕を掴まれた。

やめろやめろ帰らないぞ。帰らないったら帰らないからな。ちょ、新一くんちからつよっ…おいやめろゴリラ２号！

全力で抵抗したらまたため息をつかれた。
３度目だぞ。幸せ逃げまくりじゃん。私のせいだなごめんよ。


『はっ、降参なんて冗談じゃないわ。
零さんのバーカ！一生バナナ食ってろ！』

｢どう考えてもAさんが悪いじゃないですか…
これ普通家出するのは降谷さんの方でしょ。
早く帰って謝ってきて下さい｣


諭すように言われる。あっれー、おかしいなぁ、新一くんって10くらい年下だったよね？

流石に頭が冷えてきて、思わず自嘲気味に笑う。

やばいなー、なにやってるんだろう私。

グッと奥歯を噛んで、彼から目を逸らした。

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