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「私のせいなのよね」
彼女は目を伏せていきなりそんなことを口にした。
話がわからなくて黙っていれば、彼女は言葉を紡ぎだす。
「子は親の背中を見て育つって言うでしょう。
私なんかの娘に生まれたせいで、あの子はなによりも先に嘘をつくことを覚えたわ。
人に好かれる術は役に立ったでしょうけど、同時に弱音を隠すことも必要以上にうまくなってしまった。あの子は器用すぎるのよ」
「……」
…確かにそうだ。あいつは本音を隠して完璧に笑顔を作るのがうますぎる。
俺はもう慣れたからわかるけど、初対面であれを見破れなんて最難関だ。
「だからね、Aと結婚する人はAが本音をぶつけれるような人じゃないと追っ払ってやろうと思ってたの。あの子の嘘も見抜けないような人とは一緒になってほしくなくてね」
「百合子さん…」
「親バカだって思う?いいのよ、それで。
あの子は私がずっと守ってきたたった一つの宝物よ。半端者なんかに渡すなんて冗談じゃないわ」
ぽやっとしてそうに見えた瞳が鋭く光る。多分こっちが素だろう。
強い意志の灯った目は、やはりあいつと被って見えた。
「あなた達の間にこれまでなにがあったのかは聞かないわ。あなたのこともこれ以上深くは聞かない。
でも…あなたの前で涙を見せられたのならきっと大丈夫ね」
そう言って彼女は小さく笑う。
「安室透さん」
名前を呼ばれて、目を合わせた。
「あんな子だけど、娘をどうかよろしくお願いします」
深々と頭を下げた彼女に、緩んでいた手をまた握り直す。溢れそうになったなにかを堪える。
今まで1人でAを守ってきてくれた小さな彼女に、答えを返した。
「はい…!」
そんな一連の流れを、いつの間にか帰ってきていたAが涙目で聞いてただなんてことは全くもって知らずに。
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なでぃあ - すみません💦立夏さんの作品一覧の中でパスワード保護がかかっている作品を読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか? (2023年1月10日 21時) (レス) id: b7c646722c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - over the rainさん» ありがとうございます!!私の文章で幸せになって頂けたなんて私の方が幸せです!笑 ありがとうございました!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 話の構成も文章の書きかたも素敵で、幸せな気分です!これが神だ。嬉しくて泣けました(マジ)応援してます! (2020年3月5日 10時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - なのなの-VIIさん» わぁ〜!とってもご無沙汰な更新でしたが読んで頂けるなんてすごく嬉しいです!!ありがとうございます!!私もはっぴー満点で眠れます!笑 (2020年2月9日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの-VII(プロフ) - 更新ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです! おかげで幸せな気分で寝れます! (2020年2月8日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年11月18日 21時