輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（40）地獄と化す ページ41

「あぢぃー……」


「冷房付けてやってるじゃねェか」


「今日トミセン来てる？」


「来てるっちゃ来てるがァ、PTA会議の方にでも顔出てんじゃねーの？」


「じゃあはーずそ」






しゅるる〜と勢いよくネクタイを外す。

苦しいのこれ。


私服登校許して欲しいなあ。






「さっさと終わらせろォ」


「これ全部終わらせたらもう夏休み来なくていい？！」


「んなわけねェだろ。

これは今日の分だァ」





うっそ。これ何枚あるの？

まじ日暮れるよ……




って思ってたけど、プリント1枚の問題量案外少なくて不死川先生の優しさが伺える。きゅん！






「ご褒美ある？」


「職員室前の冷蔵庫になんかあったらそれ食べていいぞ」


「まじ？！がんばるー！」


「俺このあと3年の受験対策あるから面倒見てやれねェ」






え？聞き間違いじゃないよね？？







「よっしゃー！！」







嬉しい！


ケータイで調べながらやっても許されるってことだよね？


いつも不死川先生私がスマホ使おうとしたら「教科書で調べてやれェ」って怒るんだもん。







「安心しろォ。少ししたら俺の代わりが来る」


「まじか……」






ですよねえ。

そんな世の中甘くないよね。はいごめんなさい。







「だれなの？」


「お楽しみだァ。冨岡ではねぇから安心しろ」


「そんなお楽しみいらない…」







けど冨岡先生じゃないならとりあえずオッケー。


不死川先生は「じゃあな。しっかりやれよ」と言い残して少人数ルームを去る。




今更逃げられないと思い、シャーペンを握った。






それから不死川プリントとにらめっこすること数分。



1枚目の(1)は自分の力で解けたから褒めて欲しい。

全力で褒めちぎって欲しい。




学校に来る途中コンビニで買ってきたパックのコーヒー牛乳にストローをさす。





と、そのときガラリと扉が開いた。








「休憩はまだ早いんじゃないか、綾瀬」


「伊黒先生！」







やっほ！と手を挙げるけどしっかり無視された。

いつものことだからもう慣れた。



「コーヒー牛乳いる？」と聞くと「いらない」と断られた。美味しいのにねえ。







「はやくやれ。

お前が終わるまで俺は帰れないんだからな」


「もうこの際こんなものほっといて一緒に遊ぼうよ」


「お前は本当に頭が弱いね」


「ハイ頑張ります」






コーヒー牛乳はお預け食らった。解せぬ。






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