輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（25）バカも風邪はひく ページ26

「冷たっ」




私の前髪を避けるように額に滑り込んできた不死川先生の手。



えっ、手冷たくない？

もしかして末端冷え性仲間？！






「そこまで熱は高くねぇなァ」


「え？」


「煉獄に綾瀬が体調悪そうだったとかなんとか言われてよ」





あ、だから起こさないでいてくれたんだ。


てかそこまで熱は高くないって、微熱はあるってこと？

だから頭痛かったのか！解決！！






「心配してくれたの？さねみん優しい」





ペシッとおでこを叩(はた)かれる。



一応病人ですけど？！


いつもより力は弱めてくれてるからかあんま痛くないけどさあ。






「もう今日は帰れェ」


「なんで、」


「さっさと家帰って体調治せ」






不死川先生の長男力に感激しつつ、スクールバッグにポーチと筆箱と財布と、その他もろもろ全て突っ込む。





「このあと授業あるから誰も送ってやれねェけど一人で帰れるか？」


「ん、大丈夫」


「門まで送る」






そう言うと先生は立ち上がって私のスクールバッグを持ってくれる。


やだ長男力ステキ！




立ち上がるとやっぱ少しふらふらして、あー私体調悪かったんだと再確認。


バイトなくてよかった。






逃げ足は速いのに歩くのは遅い私のスピードに合わせて不死川先生が隣を歩く。



生徒は授業中だからやけに静かで落ち着かない！

けどいつもみたいにギャーギャー話す元気もない。






「気ィつけて帰れよ。何かあったら学校に電話しろ」


「わかったー」


「じゃあな」






駅までの道のりを歩く。



ここの学校駅までの割と遠いんだよね。

ヘイタクシーしたいけど金銭面にそんな余裕はございませーん。






＊＊＊



昼休み in 職員室





「今日綾瀬来てんの？

1回も美術室に顔出さねぇけど」


「あァなんか体調悪そうだったから帰らせた」


「日本史の時間かなりしんどそうにしていたからな！」


「あんなバカでも風邪ひくんだな」


「よもや！綾瀬は成績は(・・・)優秀な生徒だぞ！」


「伊黒が言ってんのは勉強以外の部分だろォ」


「ああ！それならたしかにバカかもしれない！」





Q.冨岡先生は何処(いずこ)へ？

A.一人でぶどうパン食べてます。






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