魔法28回目 ページ34
運び込まれた病院での手術は無事に成功した。しかし、にいなの目は未だ開かない、今日は事故から5日経つ。
にいなの眠る隣に座る。朝早くに来て面会ぎりぎりまでいる、ここ最近はそれが日課になっていた。
今日も今日とてにいなの眠る姿を見ていれば、部屋の扉が静かに開いて、長身の男性が入って来た。
「夏目くん、だね」
『ボクの名前……貴方ハ？』
「初めまして、夏目くん。にいなの父です」
にいなの、お父さん。ボクは立ち上がって頭を下げた。こんな時だから、流石に語尾は歪められなくて。
なんで守ってやれなかったとか、お前のせいだ、とかは言われる覚悟でいる。自分でも何度も思ったことだ。
「夏目くん」
『はい』
「すまなかった」
『……え？』
にいなのお父さんはボクに向かって深く頭を下げた。
『ちょっ、なんで……ですかっ』
「余計な心配をかけてしまったな」
『謝りたいのはこっちの方です……！気付かなかったとはいえ、ボクがにいなさんを守るべきだった。本当ならばここに寝ているのはボクなんだ……』
「まぁ、こいつのことだからきっと何も考えてなかったんだろうな」
にいなのお父さんは、にいなを見てくすっ、と笑った。その顔があまりにもにいなにそっくりで、やっぱり親子なんだなと思う。
「にいなは母親似でな、考えるより先に体が動くところとか、かっこいいって言われて気にするところとか。夏目くんも見たことあるだろ？」
『……はい。自分は無自覚だと思うんですけど、そういうところが可愛くて』
言ってからしまった、と口を押さえる。いくらなんでも親御さんの前でするべき発言ではなかった。
「はははっ、わかるぞ！そっか、よかったなぁ」
そう言ってにいなの頬を優しく撫でると、にいなのお父さんはすっと立ち上がった。
「それじゃ、俺はもう行くよ」
『もう帰られるんですか』
「ん、仕事が溜まってるんだ」
そう言って彼は肩をぐるぐる回しながら、「あのハゲいつか絞める」なんて物騒なことを言っていた。本当にしそうで怖い。
「そうだ、夏目くん」
『なんですか？』
「にいなはちょっと不器用で、自分のことは後回しにするようなやつだけどさ、誰よりも可愛いから。しかも俺とこゆきの子供だから超頑丈！こんないい物件なかなか見つからんぞ〜？」
彼は一度豪快に笑ってから、親指を立てた。
「にいなのこと、よろしく頼むよ」
『絶対幸せにしてみせます』
「2人一緒に聞けるの、楽しみにしてる」
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桜乃茜(プロフ) - リンゴアメ!さん» ありがとうございました！夏夢お幸せに！！ (2020年5月17日 23時) (
レス) id: 5ed7d96c32 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴアメ! - 夏目と夢主ちゃんの恋、永遠に応援してます!!お幸せに!! (2020年5月17日 23時) (レス) id: 4fea662fb0 (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - ふがしさん» 何度もコメントをいただいてとても嬉しかったです！夏目くんいいですよね〜^ ^最後まで応援ありがとうございました！今後も頑張ります、よろしくお願いします！ (2020年4月17日 14時) (レス) id: 5ed7d96c32 (このIDを非表示/違反報告)
ふがし(プロフ) - 夏目くんと夢主ちゃんを最後まで応援できてよかったです！全部の話が面白かったです。夏目くんはやっぱり最高！！作者さんの違うお話も応援させていただきます^_^ (2020年4月17日 14時) (レス) id: 6aa67785d1 (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - 雪さん» へああああああ！！すみません、嬉しすぎて昇天しかけてました(( お話はあと少しとなってしまうかもしれませんが、今一度夢主ちゃんと夏目くんの応援を、よろしくお願いします！ありがとうございます！ (2020年4月15日 20時) (レス) id: 5ed7d96c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜乃茜 | 作成日時：2020年3月26日 12時
