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「は〜くん居ますか〜…?」
1-Aと書かれた教室の扉を開けた
コンコンコンとご丁寧に3回もノックしたけど誰も出てくる様子はなかったからつい。
(さっきエッちゃんに教室にいるって情報もらったのになぁ…)
どうやらハズレを引いたらしい
薄暗い教室はシンと静まり返っていた
HR終わって時間たってるから仕方ないか…
そう思って踵を返そうとした時、、
「…あ。」
最前列の机に突っ伏すひとつの影
そろりそろり、と近づけばその子は寝てるらしく俺には一切気づく様子もなかった
綺麗な橙色の髪、長いまつ毛
「…今日はいつものハーフアップなんだねぇ。」
頭を撫でればサラリとすり抜けていく髪
くせっ毛の王さまとは違うところ。
寝ていたのはよく恋愛相談をされる後輩の月永A
スースーと小さく寝息を立てるAの目の下にはうっすらと隈がある。
机にちらばった書類を見て、また俺は頭をひとなでした
「頑張りすぎ。」
バサッ
「やば、なんか落ち………………」
前触れもなく1冊のノートが落下
起こしたかもしれない、とAを見れば何事も無かったかのようにまだ寝息を立てている。
俺は少しながら安心してそれに手を伸ばし拾った時、見えてしまったもの
「……先輩対策ノート?」
タイトルにはそう書かれていて妙に好奇心をくすぐられる
失礼かな、と思いつつもやはり好奇心が勝ってしまって表紙に手をかけて1ページ、また1ページと捲って見れば
ひとつのページが目に止まった
見出しは「デートプラン」
ちょっと日記化していたこのノートの中で一際目立つそれ。
真ん中の行に大きな文字で「成功したら先輩をデートに誘う!!!!」
ドクン、と心臓が大きく脈打った
成功したら?何が成功したら?
誰に?まーくん?それともエッちゃん?違う?俺の知らないやつ?
いつ?明日?明後日?それとも、もうデートに誘ったの?
頭の中でグルグルと変な思考が回りに回って、フラッと目眩さえ感じた。
深呼吸をして、そっとノートを机に戻す。
「もう俺は必要なくなっちゃうのかなぁ…」
ポロッとこぼれ落ちた本音を拾うやつなんて、分かっていたけど居なくて
ちょっと虚しくなって足早に教室を後にした。
****
「A〜?起きろよ、帰るぞー?」
『ん…おっと私寝てた?』
「寝てた、おはよう!リッツの言う通り教室でまだ寝ててくれてよかった☆」
『おはよう、お兄ちゃん…今、リッツって言った?』
.
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苺ミルク飴(プロフ) - すごく面白かったです!!!続きがとても気になります!!更新、楽しみにして待ってますね!頑張ってください!応援してます! (2021年12月14日 20時) (レス) @page31 id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なこ x他2人 | 作成日時:2019年7月26日 0時