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最後の恋愛相談
それは他愛もないもので呆気なく終わってしまった。


この一週間、Aはよりいっそう忙しくなっちゃって俺の前に姿を現すことは無かった。


時間はあっという間に進んでいきライブ当日。
俺たちは王様やあんずの善意で舞台袖にお呼ばれしていた。

如何にもアイドルらしい衣装に身を包んだ目の前の小さな背中は心做しか震えているようにも見える。


それもそうだ。
このライブはこの子のデビューライブであり、青春の第1歩なのだから。


「そんなに怖がってたら〜、ライブ失敗しちゃうよ〜…A」

『……先輩』

「よ〜しよし、大丈夫、大丈夫。」



うっちゅっちゅ〜✩
兄譲りの太陽の笑顔のAはそこには居なくて、代わりに「緊張と恐怖で飛びそうです」と言った顔をしている。



「Aちゃん、時間だよ。…はい、マイク」

『ありがとうございます、あんず先輩』


可愛らしく特別に装飾されたソレはAをイメージさせるには満点が過ぎた。
まぁ、その装飾…俺がやったんだけどね。


___開演前のイントロが流れ出す。
客席からは尋常じゃないほどの歓声が上がり、どうやらそれで足をすくませてしまったらしい。

Aはその場で膝をかかえこんでしまった。


「A、大丈夫か!?」

『お兄〜…』


兄妹揃って、ステージ前で足を竦ませるなんて。
月永家ってDNAの繋がりが深いのかなぁ〜…。
……ちょっと、羨ましい。なんてね。


うわーん、しっかりしろーと肩を掴む王様を他所に俺はAに近づいて




「大丈夫。俺がAに魔法をかけてあげたから。」




マイクを握る手にそっと手を添えて耳元で囁けば、王様が「リッツ!!!」と毛を逆立てて睨んできた。
そんな様子とは打って変わってAは地面をほんの一瞬見つめてから立ち上がる。


『いってきます!!!!』

「はぁい、いってらっしゃ〜い♪」


大丈夫だよ、ステージに立ったってすぐそばに俺がいる。
そのマイクは俺が可愛く装飾してあげたんだから。



…このライブが成功してあんたの未来に俺が居なくても。

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苺ミルク飴(プロフ) - すごく面白かったです!!!続きがとても気になります!!更新、楽しみにして待ってますね!頑張ってください!応援してます! (2021年12月14日 20時) (レス) @page31 id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこ x他2人 | 作成日時:2019年7月26日 0時

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