No.034 ページ36
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無言の時が経ち、約30秒経った後、恐る恐るみんなが目を開ける。
画面を見ないように伏せ、頭を抱える男子たち。
あさみ「…え、みんな自信ある?」
壱馬「俺、やばい気がする…」
慎「途中で遅くなったと思う…終わったわ、」
夏喜「わかんない…」
北人「どうだろ、」
大樹「なんか難しいね、改めてこうやると笑」
じゃあ見ていこうかって壱馬から順番にスマホを見せる。
壱馬「…16.58…遅かった、」
はぁ、とため息を着く壱馬を横目に慎がゆっくりと画面を見る。
慎「14.78、です。」
微妙、と顔を曇らせ次は隣に座る大樹。
大樹「お、14.89」
おお、と声が上がり、大樹は真っ先にAを見る。けれどAの視線は夏喜の手元。
北人「見るね?…16.29」
あさみ「うわ、惜しい…」
北人「遅かった、」
最後は、と夏喜を見つめるみんなの目が熱くなる。
夏喜「…え、」
固まったその表情にみんなが首を傾げる。
夏喜「やばい、…“15.65”」
まみ「えっ!!!すごいやん!!!!」
壱馬「じゃあ、1位は夏喜で、2位が…大樹?」
あさみ「だね」
夏喜は深呼吸をして天を仰ぐ。
慎「えっと、“1位の人はまずブルーベリーか桃かのどっちかを選んでください”だって」
夏喜「…これってさ、先に女子選んで、その人にどっち行きたいかって聞いたらダメなんですかね?」
壱馬「いや、ええんちゃう?」
夏喜「じゃあそうします。」
そして夏喜は立ち上がる。
まみの目線は夏喜に刺さり、Aの目線は下へと下がる。
夏喜「…Aちゃん、一緒に行ってください。」
Aの前まで来ると夏喜は自分の手をAへと差し伸べて頭を下げる。
《鷲尾:やっと動いたーーー!!!!!》
《井上:偉い!偉いぞ夏喜!!!》
《Niki:やばい!キュンキュンしてる!!》
《井上:これはまみちゃん辛いぞ…》
『…ぇ、?』
目を見開いてびっくりするAは恐る恐る震える手で夏喜の手を掴む。
すると夏喜は驚いて顔を上げ、そして嬉しそうに頬を弛めた。
夏喜「えっと、どっち、行きたい?」
『ぁ、っ、と、』
あさみ「Aさっき桃って言ってなかった?」
『ぅ、ん、』
夏喜「…桃狩りがいい?」
『はぃ、』
声が小さくなり顔を真っ赤に染め涙を浮かべるA。
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s - とっても面白いです!たくさん更新してくださり嬉しいです♪続き楽しみにしてます! (2020年10月25日 22時) (レス) id: 6f1a5651d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2020年10月23日 13時