【男主】魔王さまお逃げなさい！【BL】 (ページ8)

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第6話　～黒紅色の血染めドレス～　ページ8

春尾 Aside

使い魔がそう自慢しながら
綺麗な、でも狂気が感じる濃く深い紅色の箱を持ってきた
そして、何重にも重ねられた金銀の鎖や鮮やかな絹のリボンを外していく

「もしかして僕そんなに我が儘？
なんか厳重に守られてる大事そうな服を着てもいいの？」

『フフフ…まぁ、
貴方様の強欲さったら魔族1ですよ。だって当時、魔族界随一の強欲姫と吟われた強欲の悪魔の貴族夫人もこのドレスまでには手を出さなかったんですもの。』

「ふーん」

『でっぷりと肥えた、
女夫人だと思いました？
それは違いますよ。
魔族界随一の強欲姫と吟われたと同時に、"見目麗しい奇跡の才女"、"黒薔薇の女神様"とも吟われたお綺麗な方でしたので～
って、アレ魔王さま？
無視はさすがに私めも堪えますよ～』

「開けていい？」

『あぁ、駄目ですよ。
ゴーグルをなさらないと。
呪われちゃいます～』

「…そうなんだ。」

『では、魔王さま。
ゴーグルをおつけなさって。
目も見張る程美しいとされるお召し物を特とご覧あれ～』

＊＊＊

『見てください！
この黒紅色の絹のドレスを！
666年代ものの血で染めてるらしくその血も、人間１の美貌をもつ高貴な姫君の血らしいですよ。
魔王さま少し質素だと思いました？』

「うん！」

『良い返事です～。
ですが、魔王さまハズレです。
このドレスに禁術ともいわれる呪文をかけるとですね、なんと早変わり！
色んなレースやリボンが飛び出ます。これは、外出用にも自宅用にも兼用できるドレスなんですよ。
素敵でしょ。
胸元を覆い隠す程大量のレース。
このレース1枚作るのになんと10年かかるらしくそれ程高価だというと同時に、本当にリアルに蝶や薔薇が細工されてます。
触ると消えそうな程薄いレースが幾重にも重なってるんですよ。
あと、首元の大きなリボン。
これは魔族でいう純潔を表していて総てを貴方に捧げますという意味です。やっぱり、
縁にはレースが施されてるんですけどさっきと違うのは宝石や水晶の欠片が散りばめられています。
そのリボンの長さは約9.99mあって胸元や腰、四肢を締め付けるのでボディラインがでてその勇者もきっとそそられますよ。
あんまりふんわりとはしないので、
大人の魅力を演出できます。
背中は全部レースと紐、鎖です。
素敵ですよね。
ささっ、着替えてください。』

僕は使い魔に
着替え室に押し込まれた