【男主】魔王さまお逃げなさい！【BL】 (ページ16)

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第14話　~事務員激動の時代~　ページ16

若騎騎士side

「そうです…
嗚呼、主君。
私たちのラブストーリーを
少し聞いてください…」

そう語り始める事務員兼補佐

暇潰しだ、しょうがない
………少し付き合ってやろうか
僕は目を閉じ、
語られる物語に耳を傾ける

＊＊＊

「それはそれは十数年前
私の母…フゥィエンツェル母様に新しい命が宿りました。

それは私…フェルバート
3歳にして、初めての恋でした。

ぷくぷくとした愛らしい体躯に
綺麗な薄翠と薄黄色の瞳。
その愛しい弟の名はフィントェル。
私は思わず唇にキスをしました。
キスは誰にも譲りません…
だって、それは不貞でしょう！
私とあの子は結ばれたも同然！！！
ふはははははっ」

『やばい、やばい奴だ』

そんな僕の罵りも聴こえない事務員、フェルバート………

お構い無しに続く

「そして長い年月がたちます…
もう、フィントェルはまばゆい美少年にかわりました。
当然、カスのような糞がわらわらと
私のフィントェルに群がります。

見つからずに殺るのは大変ですし、
まあ本当に大変でした。
たまに、脅しですませましたけれど。
フィントェルが9歳になると、
性の知識を学校で教えないと行けませんでした。
それをまあ、鷲のように目敏く感付いた私を褒め称えたい。
その教育でフィントェルが
自分に疑問を抱いたら私達の甘い恋は弾けて割れてしまう。

だから、その時は二人してずる休みをして、私が教える事にしました。
私を信じきっていたフィントェルは愛らしい様子で顔を染めながら、
全てをにいさまに捧げますと近付いてきた。

嗚呼、あれで何回泣いたことか！」

……そ、それはヤバイ
こんな兄を信じる弟もヤバイ

「そして、フィントェル13歳
私が16歳ですね。
フィントェルか13歳になると
自分を慰める仕方を教えてください、にいさま？と可愛らしく歩みよったのです！
嗚呼、その姿は
私が見ないといけない。
お前の愛する人は誰かな？と問うと、恥らしくにいさまと答える！
嗚呼、にいさま人生くいなし！
それで私は………