【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ35)

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34→今の私に出来る事ページ35

実況の声とそれをかき消す様な湧き上がる観客の声。
とうとう、雄英体育祭が開催された。

一年、二年、三年と別のステージに分かれてそれぞれ同じ学年で競い合う。
その為、客は少なからず分散されるのだがこの賑やかさ…

本来なら三年に注目が行くのだが今年度は一年が注目の的らしい。
だから他のステージは判らないもののここが一番人は多いのだろうか？

「(まぁ、気は紛れるから……)」

そう思ってしまう時点で紛れてないんじゃ…
なんて思いつつ私は遠目から入場する1年に目を移す。

襲撃事件も相まってA組には更に注目が集まっている。
実際に入場する際は凄い盛り上がり様で驚いた。

変に緊張しなければ良いな…と少し心配する。

騒がしかった会場もミッドナイト先生の登場でしんと静かになる。
確か最初は選手宣誓でヒーロー科の入試1位の……

「選手代表1-A！爆豪勝己！」

その言葉にA組の視線が彼へと集まる。

まぁ、無理も無い…

流れを知っているから驚かないだけで、
最初はプログラムを見た時は大いに驚いた。

「(爆豪君は優秀なんだけど……ね)」

ポケットに手を突っ込んだまま彼は前へと出る。
会場中の視線がその一点へと集中させられた。

「せんせー。俺が一位なる」

その言葉で先程のしんと静まった空間が一変しブーイングの嵐となる。

そう、こう言う少々どころでは無い問題児。
僭越ながら少しだけ彼に苦手意識を持つ自分も居る。

まさか本日二度目の大胆な宣戦布告を聞くなんて…

「っ……」

その一回目を思い出すと共にズキッと痛みを伴う胸の奥。

あぁ、ダメだ。今は集中しなきゃいけない…

きっと爆豪君に掻き立てられたおかげで仕事が増えるはずだ。

「すぅ…はぁ………よし」

落ち着いて深呼吸して気持ちを切り替える。