【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ20)

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19→我儘をページ20

身勝手にも幸せ気分を感じながらいちごオレを飲んでいた私。
そして何故か隣に座って蕎麦を食べ始めた轟君。

その些細な行為は私の幸福度を更に上昇させた。

「(もっと、ゆっくりしたかったな…)」

そう思いながら最後の一口を口に含み程良い甘さを感じてから飲み込んだ。

好きな人との昼食なんてそう多くあるものじゃないと思う。
私の様なヘタレは尚更で、きっともう機会など無いだろう…

≪ウゥ―――！！≫

しかしながらそんな時間は突然鳴り始めた大きな音と共に終わりを告げた。
その音に食堂の雰囲気は一変して皆は何処か焦り始めていた。

「け、警報…？」

「みたいだな」

思わず口にした言葉にも返答してくれる轟君は何処か真面目と言うか…
いやいや今はそんな事考えている場合では無い様よね、私。

「≪セキュリティ3が突破されました。
　生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい≫」

アナウンスの言葉を聞き、更に周りが慌ただしくなった。

「3って事は、誰かが校内に侵入した…？」

記憶の中を探り出て来た知識。
正直起こる事など無いだろうと流し読みした部分。

それを覚えていたのは奇跡でそれが実際に起こった事に少なからず恐怖を感じた。

「植包、大丈夫か？」

「は、はいっ…」

俯く私に何処か何時もより優しい声色で声をかけてくれた轟君。

……ううん、ただの思い込みかもしれないけど…
でも、今はそう思い込んだ方が幾分か気が楽なのだ。

だから許して欲しい…

聞こえる事の無い我儘を心の中で言った。