嫌い ページ35
「.....え?」
真希は先程とは打って変わって、驚いた表情を浮かべる。
「私、ある日から感情が沸かなくなっちゃって、
ごはんの味も乙骨くんへの感情もよく分からなくなっちゃって.....」
「....乙骨くんに恐怖を抱いてたってことはちゃんと分かるんだよ。
逃げ出そうとすると何されるか分からなかったし、機嫌を損ねちゃ駄目だって思ってたし」
「でも怖いから好きじゃないのかって言われると.....分からない」
私のその言葉を聞いて、真希は更に驚いた表情をした。
「は、はぁ?お前何言ってんだ?怖いって感情抱いてんなら好きなわけ無いだろ」
「もしかして洗脳とか.....されてねえよな......?」
「せ、洗脳はないと思うけど.....」
「まあ、大丈夫だ。深く考えることはない。お前は憂太のこと好きなんかじゃねえよ。
だってあんな酷いことされたじゃねえか」
「逆に嫌いなんじゃねえのか?憂太のこと」
嫌い、か。私が、乙骨くんのこと.....
ずっと好きで、憧れてて、追いかけ続けてた乙骨くんのこと.....嫌いになっちゃったのかな。
「そう、だよね。こんなことされたんだし、嫌いなはず.....だよね」
「......ああそうだ。無理に思い出さなくていい。まだ何度でもやり直せるんだから」
本当に嫌いなのかどうかなんて分かりやしないけど、
真希がそう言うんなら、普通は嫌いになるもんなら......私も嫌いなはずだよね。
―――もう乙骨くんとは、相思相愛じゃないんだ。
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!!完結おめでとう御座います。狂愛、ヤンデレや特にかん,なんきん系本当に大好きで尚且つストーリーも良くて、ストルック?と言いますか、ただ好きで自己的に戻ってくる凄く良かったです!!他作品も読ませて頂きます!是からも応援しております (3月9日 21時) (レス) @page39 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
金糖の少女 - ェッ、ヤダ乙骨パイセン閉じ込めてくださ(絶命)え、めちゃめちゃ言葉の言い回しすきです、言葉のチョイス神ってますか?神ってますね(自己完結)特に最初のつま先から頭のてっぺん〜ってところほんと読んでて天才か?ってなりました! (1月8日 21時) (レス) @page1 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷エマ(プロフ) - 匿名さん» 返信遅くなってすみません...!プリ小説では活動してないです!良ければ作品の方教えていただいてもよろしいですか...? (8月27日 20時) (レス) id: 63021b120b (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - すみません、主様ってプリ小説でも活動してますか?プリ小説の方でこの小説と似たようなお話があったので連絡させて頂きました。最後になりましたがこのお話とても好きです応援してます (8月21日 15時) (レス) id: 9346b68fad (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - やけに私の好みどストライクだなぁと思ったら、「病みと最凶は紙一重」の作者様....!!どおりで!あぁもう好きです!!!!生きる糧です!!ありがとうございます!ありがとうございます! (2023年2月5日 19時) (レス) id: 9a5127d1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碓氷エマ | 作成日時:2023年1月16日 19時