閉じ込めちゃいたい【乙骨憂太】

教室 ページ34

「....なんか久しぶり過ぎて変な感じだな。お前が教室にいるなんて」





あの後疲労もあったせいかすぐ寝てしまって、気がついたら今日になっていた。



久しぶりに制服を着て、朝風呂にも入って、髪も丁寧に結わえた。




....昨日までの私には想像もつかなかった。



こんな当たり前の日常が戻ってくるだなんて。




ふと気になって、辺りをグルグルと見回してみる。





「どうしたんだ？さっきからキョロキョロして」



「.....もしかして、憂太がどうしてんのか気になるのか？」





図星過ぎてぐうの音も出ない。



その通りだ。昨日あのまま寝てしまって、乙骨くんが今どうしてるのか何もわからない。



五条先生の姿が見えないってことは、一緒にいるっていうのは大体予想がつくんだけど....





「まあ、聞かれたら教えてやれって五条のやつから言われたからな。気になるなら教える」



「....憂太は今自分の部屋にいる。

これからは私達とは時間をずらして授業を受けるらしい。

要するに、私達の放課後が憂太にとっての授業時間ってわけだな」



「極力お前らを近づけないようにそういう方針にしたらしいぞ。

憂太だけ京都校に移動っていう手も考えたみたいだが......あっちの学長が許すわけねえからな」



「乙骨くんは.....元気なの？」



「.....元気ではねえだろうな。

閉じ込めちまうくらいお前のこと好きだったんだし、会えねえとなるとそりゃ狂うだろ」





真希はため息をついて、少し下に俯く。





「.....前みたいに5人で仲良くやってる時に戻れたら良かったんだけどな」



「.......」



「あ、いや.....すまん。今のお前には酷な発言だったな」





忘れてくれ、と真希は笑う。



その顔は酷く辛そうで、繕った笑顔であるということがすぐに分かった。





「.....ねえ、真希。私って......」



「もう、乙骨くんのこと好きじゃないのかな」

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