閉じ込めちゃいたい【乙骨憂太】

笑う ページ33

「....で、憂太に何された？痛めつけられたか？それか無理矢理.....「待て待て真希」



「もしかしたら言いたくないかもしれないだろ？今さっき逃げられたばっかなんだし」



「そう、だったな」





すまない、早とちりした。と真希に謝られる。





「いや、大丈夫だよ。どうしてこうなったかとか、何されたかとか.....全部話そうと思ってたから」





私は3人に、任務で死にかけた時から今日までの出来事を全て話した。



私も乙骨くんのことが好きだったということも、怖いという感情を抱くようになったことも。





「まあ、お前らがお互いに惹かれ合ってたってのは薄々気づいてたけど.....まさかそんなにとはな」



「憂太のことが好きだったってことは、相当辛かったんじゃないのか？価値観の違い的な」



「.....うん。私は普通の恋人になりたかったから。

何度もやり直そうって言ったんだけど、全然聞き入れて貰えそうになくて」



「諦めたほうが楽なのかなって思った」



「....そりゃそうだよな。

鍵もかかってて鎖もあって、逃げるのに失敗する度怒られ続けてたらそうなるよな.....」



「.......本当にごめん。私達がもっと早く気づいてればよかった」





頭を深々と下げる真希。



そんなことしないでよ、と私は真希に頭を上げてもらった。





「別に、もういいんだよ。私は今こうやってみんなに会えてる。それだけで十分なんだ」



「暗くて何も出来なくて、全ての行動に意味を見いだせなかったあの場所から抜け出せたから。

真希が気づいてくれなかったら、もう一生みんなに会えてなかったかもしれない」



「そんなことより、私は.......」



「みんなとまた過ごせることが楽しみだな」





前みんなに奢ってあげた分、アイス奢ってよね。と笑ってみた。



すごい。私、笑ってるんだ。



恐怖に塗れた空間じゃない。感情が少しずつ沸いてくる感じがする。





「......ふっ、そんなことまだ覚えてたのかよ」



「安心しろ。俺が何個でも買ってやる。高いやつでもいいぜ」



「すじこ！」

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