閉じ込めちゃいたい【乙骨憂太】

弱い ページ4

強い力で押し倒される。





「大丈夫、Aちゃんは僕のこと嫌いになんてならないよ」



「.....そんなこと考えられないくらい、僕で満たしてあげるから」




「それに、」



「この関係が正しくないことくらい、僕も分かってる」





......怖い。



その狂気的な目が。すべてを見透かしたかのような言葉が。




嫌だな。



私は乙骨くんのことが好きなはずなのに、そんな感情抱かなきゃいけないなんて。





「欲しいものはなんでもあげる。してほしいことも極力叶える。

これからは全部Aちゃんの好きなようにしていいよ」



「でも、お願いだから―――」



「僕から逃げないで」





その時、乙骨くんの表情が一瞬曇ったように見えた。



乙骨くんの発した言葉が何故か酷く悲しく思えて。




......私が言える立場じゃないってことくらい分かってるけど、




乙骨くんは弱いんだな、とふつふつと感じた。





「じゃあ僕、授業出てくるね」



「.....あ、ちなみにだけど、Aちゃんが大声出して助け求めたりしたら....」



「他の人に気づかれる前に僕がここに戻って来て、Aちゃん連れて高専から失踪するから」



「その後はどっか遠くの場所で2人で暮らす。

どうせこの生活は変わらないから、意味ないと思っててね」





いい子で待っててね、と頭を撫でられた。



私が行動を起こす前に、不可能であることを伝えて未然に防ぐ。




.....本当に支配下におかれてるんだな。




私の行動全部が、乙骨くんに制御されてしまっている。





「......どうにかして逃げなきゃ」

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