片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Class＿9 ページ12

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教室の窓際

一頻りに暴風の中、横雨が吹き荒れる

そんな中で閃光が走り、カウントダウンを始めた




『(...十秒後に音。って事は3400m先に雷雲発生か)』


ノートに計算式を写すまでもなく、340(ｍ／秒)×光ってから音が届くまでの時間(秒)の答えを導き出す


まさかこんな日に限って＿＿授業参観だとは。気の毒だと他人事の様に空虚を見つめた



「じゃあここには何が当てはまるかしら？


＿そうね、黒澤さん分かる？」


『えっ、』


ついていた頬杖から顔を上げれば、小林先生がニコリと微笑むのを見て立ち上がった



『えっと...静電誘発作用？』

「うーん、そうね。今は雷が凄いけれど、この時間はA君の気持ちを考える授業だから...ちょっと違うかな？」



えっ、あ。間違えた。よりによって沢山の大人がいる前で


すみません、と小さく謝って赤くなった顔を隠す様に席に座った


ああ、でもきっとベル姉達は来てないから失敗を見られてた事は無い筈


だからセー......




『...え、』

「黒澤さん？どうかしたの？」

『い、いえ。何もありません』


再び集まる視線にダラダラと背中に冷や汗が伝う


...だって、全然セーフじゃない



『(...い、居る)』


帽子とマスクを被って変装こそはしているものの、口角の上げ方、目の細め具合...間違いない、あの黒髪の女性はベルモットさん




＿＿って、事は。隣にいる帽子を目深に被って腕を組んでいるのは。


チラリと視線を投げかけた時、三白眼の瞳と交わった



...ジン、お兄ちゃんだ




嘘だぁ、と教科書を立てて顔を隠す


どうしよう、絶対来てくれないって思ってたから...嬉し過ぎる




結局この日は格好いいとこ見せよう、その心意気よりもベル姉とお兄ちゃんが来てくれた事の喜びと、普段とは違う格好に授業そっちのけで釘付けだった事は


言うまでもない

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