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【備考】

◇ 過去
 職業不定の父親と、親に勘当されるほどの浪費癖を持っ母親から産まれる。両親は巴が離乳期を迎えるまではある程度の世話を焼いていたが、それ以降は二人とも一切子供の面倒を見なくなり、同時に母親による虐待が始まった。
 泣いては暴言を浴びせられ、なにか気に障ることがあれば殴られる。仕事でストレスが溜まっていた父親も次第に虐待に加わり始め、まだ幼い巴は段々と両親を恐怖の対象であると思うようになっていた。

 ――幸か不幸か、そう言った虐待を受けていたのは巴ひとりで。まだ学校にも通わない程度の年齢の兄姉は、どちらも虐待を受ける弟を助けたいという思いを持っていた。

 ふたりは、巴を連れて市内ではあるが少し遠くに住む祖母の元を訪れる。それから、一応幼稚園に通っていた兄姉は家に戻り、残された巴は祖母に面倒を見られながら小学校に上がるまでを過ごした。
 そこで巴は、これでもかと言うほど甘やかされる。欲しいものはなんでも買ってもらえて、どれだけわがままを言っても許された。そんな彼の人生では珍しい恵まれた生活も、彼を歪めた一因になっている。

 巴が小学校に上がる前日、彼は両親の元へと戻ることになった。頑なに拒む巴だったが、姉の説得によって怯えながらも実家に帰宅。そこで彼は母親に皮肉交じりに罵倒され、久しぶりのその感覚に泣き喚いてしまった。
 当然のように母は怒り狂い、泣き続ける巴にひたすら暴力を加える。それは巴が意識を失ってからも続き、兄が母から巴を庇うまで終わらなかった。

 そんなことがあったため、入学式はもちろん欠席。それ以降学校に行きにくくなってしまい、小学校一年生から早々に不登校状態に陥ってしまう。兄姉に連れられて学校に行くことはあったものの、好奇の視線を向けられて体調を崩してしまい、早退することが多かった。
 そんな巴を両親は責め、より虐待が苛烈になる。兄姉たちが居ない午前中を主に、彼はこき使われ殴られ蹴られ、暴言を吐かれ続けた。兄姉たちが帰ってくる時間帯になるとそれは一旦収まるものの、それでもなお家事の手伝いはさせられた。


※1 巴を幼稚園に行かせなかった理由は、ずっと家に居る母にとっての手頃なサンドバッグにするため。幼い子になんてことを。
※2 巴だけが虐待されていたのは、兄姉は自身が望んで産んだ子であるのに対して、巴はうっかり妊娠して産まれた子だから。貧乏故に金がなく、堕ろせなかった。




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小噺

高校時代は文芸部に所属していた。


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作者名:睡夢 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月8日 16時

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