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【SV】
◇ 『普通の大学生』
「もしかしたら、じゃなくてほぼ確実だと思うんだけどねー、俺は兄さんたちよりも先に死ぬよ。いや、何かヤバいことに手を染めてるわけじゃないよー、ただ俺ってすごい低血圧だからさ、なんかいつかぽっくり逝きそうなんだよねー。そういうのに疎いから、いまいち分かんないけど。」
「ふぁ……ダメだ、頭痛い……。今、は七時半か……。……今日の講義は午後から、だから、いやでも、寝ちゃダメ……起きれなくなる……。」
「料理は得意だよー。いっつも自炊してるから、ある程度はできるんだ。あ、でもねー、もやしの調理方法しかわかんないよ。だって俺、毎日もやし生活だから。ごめん嘘、めんどくさい日はカップ麺だよー。」
「食事は、一日一食だねー。最近はもやしかカップ麺しか食べてないよ。……そんなんだから低血圧が治らないんだって? 知ってる、でもこうでもしないと食費が高くなっちゃってさー、新作ゲームが買えないんだよね。」
◇ 『Gambitの天才ハッカー』
「あんまり調子に乗るようならー、君の個人情報――名前とか住所とか職場とかと、恥ずかしい秘密をネットにばら撒くよ? ふふ、人生ジ・エンド、だねー。……うんうん、いい子――って待ってよ、二人ともなんでそんな目で俺を見るの。」
「プライバシーの侵害ー? うーん、ちょっと何言ってるか分からないなぁ。ちょっと、ごめんって。嘘だよー、それは本当に俺にとって耳が痛い話だからさ。」
「コンピュータウイルスの駆除ってさ、地味にめんどいんだよねー。それに、気を抜くとパソコンがやられかねないし。まあ、俺も趣味で作ってみることはあるから、人のこと言えないけどねー。」
「前も言ったかなー、別に俺はやりたくてハッカーやってるわけじゃないこと。元は師匠から後継者に、って流れで押し付けられたんだよね。不本意だったんだよー。まあ、今はやりたくてやってる面もあるかなー、だって意外と楽しいし、お金も入るからねー。」
「プログラミング自体は姉さんから教えてもらったものだけど、ハッキングとかダークウェブへの行き方とかは師匠に教えてもらったなー。当時は本当にいらない技術だったよ、ほんとに。」
「うるさくしないから、迷惑もかけたりしないから……酷いことしないで、お願い。俺のことが嫌いなら、君の目の前から消えるから。だから、ねえ、俺にそんな怖い顔を向けるのは、もうやめて……。」
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小噺
高校時代は文芸部に所属していた。
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