暗殺３０ ページ30
カルマくんに縄を解いてもらい、ガクンとあの時同様崩れ落ちる。
「何かつい最近もこんなことあったね」
苦笑いで彼も覚えていたようだ。
「ご、ごめんね…また助けてもらって……」
「それは一旦ここから出てからにしよ」
「うん」
カルマくんに支えられながら出口へ急ぐ。
ある程度、距離を置いたところであとは殺せんせーが何とかしていると踏んで
一度足を止める。
「ここまで来れば大丈夫だね」
「カルマくん、あのっ…殴られた時の傷は？大丈夫だった？」
そう聞くとなぜか彼から返ってきたのは溜め息だった。
「あのさ、人の心配する立場じゃないでしょ。俺がどんなに焦ったか…」
焦る？
「俺、自力で立ち上がったとき丁度、茅野ちゃんと奥田さんが来たんだ」
よ、よかった…２人とも無事だった。
「神崎さんとAちゃんが来なくて焦ったし、急いで場所聞いて向かって…」
その途中で神崎さんと会った。
と、そう淡々と語っているようだった。
そう思った矢先に…何かぬくもりを感じる。
抱きしめられてるの？
どうして…？
「神崎さんに聞けば、Aが囮になったとか一人で立ち向かってるとか…
無茶しすぎでしょ、すっげー焦った…」
「カルマくん…」
抱きしめる力が強くなった。
「俺にとってAは大事な存在なんだよ、上手く言えないけど…分かってよ」
「う、うん…」
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作者名：彗 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sui12141/
作成日時：2015年3月15日 2時
