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廊下を進んで大きな襖の前で止まった。
「辰哉、お客さん連れて来たよ。」
鶯色の着物の人がそういうと、襖が開いて「辰哉」というひとが出てくる。
「亮平、ありがとう。」
「珍しいね、客人なんて」
「佐久間が連れて来たんだよ、なんでも酷曇の近くにいたみたいでね、傷だらけで立ってたんだって」
「酷曇に当てられたかもしれないね」
「だから手当てしようと思ってさ」
「そうだったんだ
照にはもう知らせたの?」
「まだ。なんだか都近くの森の方で動きがあったみたいだから調べに行ってるよ」
「森でなんて珍しいね」
「照もおんなじこと言ってたよ」
「うーん、一応目黒にも知らせておこうか?何かわかった時動きやすいしね」
「それがいいね。頼んでもいい?」
「言っておくよ」
なんの話か分からなかったが、一つだけ思い当たることがある。
さっきまで森にいたのはわたしで、そこであった"動き"というのは多分、あの気味の悪い冷気のことだろう。
「康二ももうすぐ帰ってくる頃だろうから涼太に夜食を頼んでおこうか?その子も食べるだろう?」
「そうだね、傷の手当てをしたら何か口にできるものをと思っていたから、それもお願いしていいかい?」
「伝えておくよ」
亮平と言われたその人は、わたしに笑いかけると廊下の奥へ行ってしまった。
「葵、中へお入り?
傷の手当てをしよう。」
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Asura(プロフ) - ありがとうございます!楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして!コメントありがとうございます!まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください!移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして!スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか? (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます!usermho6x4ya37←こちらになります!作品名検索でも出てくると思います! (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます!嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スヒョン | 作成日時:2023年4月22日 2時