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阿部「ほら、上皇離れなさい。」



阿部さんがそう言うと、強面のその人はわたしをじーっと見ながら阿部さんの斜め後ろに右膝を付き控えるように座った。



阿部「申し訳ない、驚いたよね?見えるなら尚更だ。こいつも妖なんだよ。崇徳上皇と言ってね、マタタビや玉藻とは違って人の怨霊から生まれた妖なんだ。見た目はちょっと怖いけどね、悪い奴じゃないから。」



『は、、はい、。』



佐久間「部屋移動しようか?立てる?」



『はい、大丈夫です。』



立ちあがろうと足に力を入れるけれど、傷の痛みが足先から腰のあたりまでビリっと走る。少しよろけたわたしを1番近くにいた玉藻と戸の近くに座っていた阿部さんが支えてくれた。
 


玉藻「おっと、」


阿部「大丈夫かい?それだけの傷なら痛むよね。」


『っすみません、、少しよろけただけです。』


阿部「上皇、この子のこと運んでやってくれるかい?」


崇徳上皇「わたしが?」


阿部「頼むよ。」


崇徳上皇「亮平の頼みとあらば。」



崇徳上皇はわたしに近づいてくるとヒョイっと持ち上げた。顔が近くなってよくよく見てみると、意外と若そうな顔立ちをしている。



『あ、あの、大丈夫です、』



崇徳上皇「案ずるな。お前のためではない。亮平がわたしに命じたのだ。そうでなければ上皇のわたしがこのようなことをするはずなかろう。」



『すみません、』



部屋を出ると深澤さん、佐久間さん、阿部さんの後ろにつづいて歩いていく。抱えられているとはいえ、崇徳上皇の体に自らしがみつくことは憚られたので右手だけ肩に置かせてもらった。



阿部「薬種問屋と廻船問屋の間には大広間があってね、奉公人なんかがそこで食卓を囲むんだよ。」


『はぁ、、』


佐久間「それにしても、若旦那がこんな刻限まで起きてるなんて珍しいんじゃないのかい?」


阿部「なんでも妙に胸騒ぎがするらしくてね、一人でいるのはなんだか心許ないって言っていたから「皆と夜食を召し上がるかい?」って聞いたら布団から飛び起きて準備してたよ」


深澤「森で何か動きがあったことと関係してるのかね?」


佐久間「酷曇とも関係あるかもね。」


阿部「まぁでも、そろそろ照や康二も帰ってくるだろうし」


佐久間「翔太は?」


深澤「照と一緒に森に行ったよ、」


阿部「目黒も寄るって言ってたから、久しぶりに全員集まるんじゃないのかい?」


玉藻「やだねぇ、騒がしくなるよ」


マタタビ「あいつが来るなら、あたし引っ込んでようかしら。」

「妖たち」→←.



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Asura(プロフ) - ありがとうございます!楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして!コメントありがとうございます!まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください!移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして!スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか? (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます!usermho6x4ya37←こちらになります!作品名検索でも出てくると思います! (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます!嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スヒョン | 作成日時:2023年4月22日 2時

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