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佐久間「俺の名前は佐久間大介、この雪乃屋の番頭をしてるんだ。」
『ゆきのや、?』
佐久間「そう、ここは薬種問屋だからね。薬を仕入れて町の人に売ったり都に上げたりしてるんだ。この「朧の都」では一番の薬舗さ。さっき君を治療してくれたのは深澤辰哉。薬師であり、医者でもあるんだよ。」
『佐久間さんと、深澤さん、。』
深澤「そんなことより聞きたいは、玉藻たちのことだろう?」
『たまも?さっきの狐ですか?』
佐久間「そうだねぇ、どこから説明しようか・・・。」
??「まったくもう、これだから人間は。これなら自分で名乗った方が早いじゃないのさ。」
佐久間さんの膝の上に乗っていた猫が、ぴょんと降りてわたしの前に座る。
マタタビ「あたしは猫又。化け猫とも呼ばれるけど、こんなに可愛らしい見た目には似合わない名さ。だからあたしのことはマタタビと呼んでおくれ。」
『またたび・・・』
深澤「さっきここにいた狐の名は玉藻。化狐だよ。」
玉藻「ちょいと、その言い方はなんだい。だから男に付くのは嫌なんだ。」
深澤さんの影がまたゆらっと揺らいで、さっきの綺麗な狐が現れた。ゆっくりとわたしの前に座る。
玉藻「せめて九尾と言っておくれよ。空狐や天狐、色んな名で呼ばれるけれど、化狐が一番嫌いだよ。」
『猫又に、九尾、あなたたちは妖怪なの?』
玉藻「まぁ、そう呼ばれることもあるね。」
マタタビ「もののけとも呼ばれるけど、あまりいい心地はしないね。」
目の前で話しかけてくるマタタビと玉藻。不思議だけれど怖さや邪悪さは全く感じなかった。
『あのっ、マタタビ、さん、』
マタタビ「マタタビでいいわよ。」
『あ、うん。マタタビ、ここに連れてきてくれた人と声が同じなのだけれど、どうして?』
マタタビ「あれはね、あたしの魂と大介の体が融合した姿なのよ。」
『融合?』
深澤「獣憑きって聞いたことないか?」
『けものつき?・・・ない、です。』
佐久間「簡単にいうとね、死んだ獣の魂が人間の体を乗っ取ってしまうこと。酷い時には憑かれた獣の姿になってしまうことがある。」
玉藻「こいつらはちと例外でね、魂の相性がいいのか、こいつらの持っている力が異常なのか、乗っとるどころか私たちと魂で繋がっちまってるんだよ。」
マタタビ「だから魂と体を上手いこと融合させて、さっきみたいな女の姿にもなれるって寸法さ。」
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Asura(プロフ) - ありがとうございます!楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして!コメントありがとうございます!まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください!移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして!スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか? (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます!usermho6x4ya37←こちらになります!作品名検索でも出てくると思います! (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます!嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スヒョン | 作成日時:2023年4月22日 2時