◎安心する匂い ページ33
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「……ん？」
重たい目をゆっくりとあけると見慣れない天井
ここはどこだ？頭をフル回転させるけど全く思い出せない
はっすんとご飯行って、お酒を飲んで、康ちゃんのことで病んで、それで、それで……
「ダメだ」
ぜんっぜん思い出せない
普通だったら変なことに巻き込まれたかも！？って焦るところだけど、なんだか安心する匂いにそんな心配はなかった。
ムクっと体を起こすと扉の向こうから微かにテレビの音が聞こえてきて。
きっと家主はそっちにいるんだろう。
そう思ってドアを開けるとソファにいた人物がくるっと振り返った。
「康ちゃん……」
向井「おはよ、やっと起きたん？」
やっぱりここは康ちゃんの家で。
でもどうしてここにいるんだろう、訳が分からないままドアの前で突っ立ってたら、クスクス笑いながら康ちゃんが近づいてきた。
向井「なんや？まだ寝ぼけてるん？」
「いや…、でもなんでここに……？」
向井「和也から連絡きてん。酔っ払ってるから迎えにきてー！って。」
「え！？そうだったの！？ごめん……」
確か昨日はふっか達とご飯だったよな……
途中で抜けてきたのかな…悪いことしちゃった…
申し訳なくて頭を下げていると、大きな手が私の頭の上にポンとのった
向井「全然気にしてへんよ？まあ、とりあえず当分お酒は禁止な？」
「……ごめんなさい」
向井「あんま可愛い顔他のやつに見せたくないねん」
「……え？」
向井「てかとりあえず風呂入り？ペタペタするやろ」
「あっ！！！！」
そうだった、恥ずかしい
化粧もボロボロで寝起きの顔康ちゃんに見られちゃった……
絶対幻滅されたよ……
なんだか気になることを言われたけどとにかく汚れを落としたくてお風呂場に駆け込んだ
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作者名：chi
| 作成日時：2021年4月25日 16時
