今日もキミのトリコ 1 【橙】 (ページ20)

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「も、もう！取れちゃったじゃん！」

向井「わざと取ったんやって」

「じゃあどのやつならいいの？」

向井「だから何も塗らんでええて」

「それはダメ！これから撮影だもん！」

向井「そのまんまでもええのに…ん～、せやなぁ～」

そう言って康二くんはポーチをガサゴソ

そして1つのリップを取って「はい」って渡した

向井「これならええよ」

「え、オレンジ？十分濃くない？」

向井「どれでも濃いんやから、だったらオレンジ塗ってや、俺のメンバーカラー」

「何それ……」

いやほんと何それ、だよ

目の前で行われてる2人の会話に僕はびっくりだよ

こんなやり取りしていて付き合ってないんだよ？
おかしいよね？

康二くんはどういう意味でそんなことを言ってるの？

Aちゃんがよく言う康ちゃんはずるい人

って意味がやっと理解できたかも

向井「ねね、これとこれ、どっちがええと思う？」

「どれ？えー……こっち、かな？」

向井「やっぱ！？え～買っちゃおうかな～」

「買いなよ、似合うと思うよ」

向井「せやな！買おっと～！…あ、なあなあ、これ水色もあんで？」

「え？あ、本当だ」

向井「せっかくやったらお揃いで買わへん？」

「っ！いいの！？」

向井「ええよ～、注文しとくな？これ着てどっか行こうや」

「え、行きたい……」

向井「どこがええ？どこでもええで？」

「考えとく……楽しみだな…」

相当嬉しかったのか、Aちゃんは康二くんの頭をなでなでしていて。

そしてそれをされてる康二くんの顔はとても幸せそう

ねえ、そんな顔しちゃったら恋愛赤ちゃんの僕でも分かるよ？

ラウ「早く付き合っちゃえばいいのに」

僕のぼやきがいつの間にか隣に来ていた阿部ちゃんには聞こえてたらしく

「そうだね」って笑ってくれた

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