心臓二つ ページ28
(side Marco)
Aの捜索を諦めかけていた俺たちの前に、一隻の小舟で近づく男がいた。
四皇白ひげの船に小舟一隻で立ち向かおうなんてバカな奴はそうそういない。男も敵意が無いと主張するように両手を上げて刀やピストルなんかは足元に下ろしている。
イ｢なんだ、ありゃあ｣
マ｢敵意は無さそうだねい…何か手に持ってやがる｣
男の手には円筒状に丸めた紙のようなものが握られていた。
ク｢隊長、どうします？｣
そばに居たクルーが指示を仰ぐ。いくら敵意が見られずともそう易々と親父の乗る船に上げる訳にはいかない。もしかすると能力者かもしれない。
マ｢近づけるだけ寄って話を聞いてやれ、手に持ってるありゃあ手紙かなんかだろい｣
ク｢分かりました…おーい！お前ェこの船に何の用だ！｣
指示を聞いたクルーが実に雑な声を上げると小舟の男はこちらを見て丸めた紙を広げて見せた。
男｢突然悪ぃな！俺ァ赤髪海賊団のモンで、お頭から手紙を預かってきた！船に上げちゃくれねえか？｣
またか、俺たちは心の中で口を揃えた。四皇赤髪からの手紙なんて縁起でもねえ。正面衝突すれば戦争が起こりかねない。
ようはこの小舟の男は俺たちにとっちゃ疫病神に他ならない。
マ｢一昨日来やがれ！生憎お前ら疫病神に付き合ってる暇はねえよい！｣
俺の声を皮切りにその場のクルーが｢帰れ帰れ｣と口にしては親指を海の底に向ける。
男｢そ、そりゃねえぜ！そ、そうだ！あんたらの仲間！あの小柄な女！あいつをうちで預かってる！｣
大層な歓迎を食らった男が慌てて口にしたその一言で俺たちは静かになる。
ィ｢小柄な女って…まさか｣
この船には女のクルーはいない。ナースは大勢いるが彼女たちが1人でも欠ければ今頃大事になってる頃だ。
消えかかったロウソクの火がふっと、勢いを取り戻す。
マ｢おい、そいつ…その女の名前は…｣
男｢名前？確か…Aっていったな…なあ！そいつの事についての手紙だ！ちゃんと元気に生きてるぜ！｣
船上の空気が一変した。吹き抜ける風が攫ってったのはきっと。
マ｢上げてやれ、親父を呼んでくるよい｣
そばにいたクルーに指示し、船内の親父の元へと急ぐ。
鼓動が早くなる。心臓が2つになったみたいだ。
船長室の扉を叩くと親父が返事をする。扉の先で親父は何でも見透かしてたみてぇに意地悪く笑った。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
