あ、黄金じゃない方のマンネです ３

HOP 1 ページ10

SideJH

JH「お、っと」

今日はカムバもひと段落して全員オフ。Aがリビングへ行くというから、ついていこうとして、腰をサイドテーブルに当ててしまった。

やすい作りのテーブルは上に乗ったCDやらの重みもあって簡単に倒れて、床に全部ぶちまけてしまう。

JH「あちゃ.....先行ける？俺ちょっと片付けてから行く」

『大丈夫ですよ。松葉杖にも慣れなきゃいけないし』


Aを先に行かせて床に手を伸ばす。中古で買ったCDがほとんどだ。
ラップの勉強のために、最近は古いもの中心にいろんな国のHipHopを聞くようにしている。それに、雑誌。音楽情報誌。

ほとんどが自分のものだ。Aは荷物も少なくて、どこへ行くにもいつも一番荷物が小さい。

しかしこの機に片付けるか、とCDと本を仕分け始めると、なぜか知らないCDが混じっている。


ほとんどがジャズのCDで、女性歌手ばかり。ジミンがこんなのを聞いているのは同じ部屋でも一度もない。

A、ジャズなんか聞くのか。



片付けついでにBGMにでも、といちばん手近にあったAのCDをプレーヤーに入れてみると、開始早々ハスキーな女性の声。

ジャズなんて大体英語だし、正直よくわからない。でも、Aが持ってる、っていうのはなんだかそれだけで興味が出てくる。


一曲きいて、二曲目にはなんだかんだ片付け終わってしまった。

小さいサイドテーブルだし、そもそもあまり部屋を汚さない。おそらくAのCDが重なったことでバランスが悪くなってたんだろう。これだって確かリサイクルセンターでタダ同然で持ってきたテーブルだ。


CDはサイドテーブルに戻してリビングへ行くと、ソファに少し収まり悪そうに座るAがいた。
テレビはつけず、パソコンで動画を見ているようだ。

JH「A、何見てんの」

上から覗き込むと、昨日の動画だった。


『ホビヒョン、僕........』

画面を食い入るように見つめるA。


『....................僕、この時、めっちゃ歌上手いですね！？？？』

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