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Noside
SH「今から俺がページを捲るから、一瞬でも見たい!と思ったら止めて。じゃーまず、これから」
そう行ってスンヒョンが差し出したのはメンズのファッション雑誌。表紙には流行りの俳優がポーズを決めている。
スンヒョンが一冊分のページをまとめて摘んで雑誌を開き、その親指をずらしていく。
パラパラとページが繰られていって、それをAは必死に目で追う。
『..................』
SH「ノーヒットか」
Aは一度も声をあげなかった。
SH「よし、二冊目」
『ちょっとヒョン、これなんのゲームですか?』
SH「いいから、ほら」
スンヒョンはもう一冊、今度はさっきより年齢層が高めの雑誌を差し出した。さっきと比べるとすっきりした服装の印象。
パラパラ、Aの目の前で開いてみるが、Aは何も言わない。
『..........』
SH「ほら次」
スンヒョンはAの反応など気にしないかのようにまた次の雑誌を手に取る。「イケオジ」の言葉が大きく強調された雑誌。また年齢層が上がった。
『..............っあ、』
SH「お!?」
ぴた、とスンヒョンが声に忠実に手を止めた。
SH「ここか?」
『...........いや、なんか、』
SH「おう、なんかなんだ?」
そこはファッションコーナではなく、音楽についてのミニコラム欄だった。
「知ってるとかっこいい」というタイトルで、編集部オススメの曲が名前と少しの情報を添えて載っていた。
『.........これ、』
SH「お前ジャズきくの?」
ページにはジャズの有名な曲が多い。
『あ、そっちじゃなくて、こっちの方です』
SH「フラメンコ?」
Aが指差したのはフラメンコの曲のジャケット画像で、日が差す木の床の部屋でギターを弾く男の写真だった。
『始め、ジャズを聞こうと思って中古のCD屋さんに行ったら、たまたまこれが流れてて、』
SH「へえ?俺はあんまり聞いたことないな」
『カンテ、っていうらしいんですけど、声が枯れてるみたいに聞こえて』
SH「ふーん?」
『実は僕、ステージの終わりとかにすっごく声が枯れちゃうことがあって、なんかその時の声に、似てるなあって思って買っちゃったんですけど............それだけです』
SH「いいじゃん、てか、もともとお前、ハスキーな声してると思うけどな」
『っへ!?』
Aが驚くのも無理はない、Aの声は喋る分には透き通っていて、周囲からも歌わなければいい声、という評価だ。
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飴雨(プロフ) - チュゴラ...(°д°) (2022年1月9日 22時) (レス) @page49 id: 611491bcf0 (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ - 名前まんまです笑カタカナにすらしていません。たまに名前を変えるときはユウって入れています。どっちも2文字なので字数オーバーしたことはないですよ。いつも楽しみに読ませていただいてます!ユンギペンより (2020年5月22日 23時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 作品が大好きでいつも楽しみにしてます。名前思いっきり本名カタカナで入れてますwww (2020年5月20日 12時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
sai - 前の作品も読みました!!いつも楽しみにしています。フラグ回収がいつも凄くて‥‥!更新応援します! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 4245d4dd85 (このIDを非表示/違反報告)
a(:(プロフ) - 月と書いてユエという中国読みがあるらしく、その名前で設定しています。リクエストは特になく、いつも楽しく読ませて頂いてます。ありがとうございます。 (2020年5月19日 21時) (レス) id: d60ff01a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばる | 作成日時:2019年12月24日 1時